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「あげるよ」と言われたけれど「借りるね」と詩集に挟む栞の押し花
12
苦しさの先にあるから恐ろしく 果てにあるから救いになるもの
8
駆け込みで のぞみ飛び乗り 東京へ 桜の車窓 しばし見とれて
32
満開の 桜愛でつつ 一休み アイスティ―には 花びら浮かび
36
会えない日。明日はあなたに会えない日。だから特盛り唐揚げ弁当食べる。
5
川風に花はふるえて七分咲き
顎
(
あぎと
)
を上げて酒を呑む五時
20
人混みで 圧死の恐怖を 思いけり 改札口の 人波の中
26
福寿草所望されては母演ず男の我も幸子の世界
10
わかってる馬鹿馬鹿しいとは思っても強迫的な不安になるよ
19
春の暮れ 香り溢る 梅の園 山の端かすみ メジロさえずり 心うきうき
4
岩肌に 沁むる霧雨 走り去りて 薫る
草花
(
そうか
)
の 色新しき
11
母叫ぶみんな起きろーにニャニャニャニャーと叫ぶゴロには爆笑の朝
19
春霞立つ雪の辺の道しるべ来よと振る振る狐の尻尾
15
風に揺れる薄紫のハナニラのミステリアスな風情に魅せられ
29
シュッシュッシュッピーに階段駆け下る機関車みたくケトルへ向かう
23
六年後私の役目を名乗るならアンタのことが好きなモブ女
5
来年の担任だれかママたちは予想屋となり集ふ我が家に
16
朝採れの 菜花、スナップエンドウの たっぷりパスタ 春きらめきて
18
こんちはに こんにちはって1秒の会話が温い見知らぬ人や
28
「思い出」の箱に閉まって鍵をかけもう触れられないといいと願う
10
春の陽に 惚れ狂いしや 徒桜 今は盛りて 待つ花嵐
6
ネットでの投句勧めてみたけれど祖父は杖つきポストに向かう
29
「ほどほどに」 「無理しないで」 言葉掛け してもらうも 現実とのジレンマ
8
懐メロもいにしえよりの歌よみもわれの心の揉み師なるかな
16
断片で途絶えた夢の深層の真「まこと」を探す目覚めの朝も
26
隣り合う ベンチで女性が
彼方
(
かなた
)
向く 少女じゃなくて 老婆の方か
3
階段を上れば明かる桜木の塀に隠るる集いのありて
18
ぼけ林檎 檸檬と砂糖で煮て旨し 外れアボカドさて如何にせむ
13
私のものと思いし国の旗そんな厭味になっちまったか
16
どうもって先行く我に「はい」と言う譲りし人の響く心音「こころね」
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