「妖精はいない」って言う度に死ぬ妖精みたいに生きるわたしは
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湖のほとりの畑らい年の豊穣を乞いキカラシ咲かす
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にほんじゅう どこでも埋まる じしんばくだん ぜんごにふるは 線状降水
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写真集三冊で換えるツーショット 幸せはいつも少し不健全
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落ち込んで あえて貴女に 言わないが いつも通りの 会話で上がる
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手紙をさ 書こうかなとか 思うけど あえて書かない 短歌うたにする
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友達が いつもと違って いた事に 気付いていたのに 役に立てない
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最近の ファッション買うの ほぼほぼで 仕事の制服 ばかりで泣ける
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最近の 若者海外 行く先は 欧米ではなく 韓国らしい
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春先の お出掛けテンション 上げながら 行き先ただの 白髪染めです
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花冷えも なくて気持ちの いい春で 黄砂も舞って さらに春です
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洗濯を 5回まわして 衣替え 休日の日に 春を実感
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帰省して ふと思いつく 床暖房 一年かけて リビング片す
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途方も無く長い道の遠くまで来てしまったことも疑わしい
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お気に入り 入れてた 「ブルージャイアント」 清々しくて スイッチ入る
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まなこに映してみたいあの世 あ、死んでんのか、と叩く太腿もなく
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虚空へ向けたナイフを見据える 重さが宿るまでそうすることに
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復活の王が凱旋 記憶飛ぶくらい白熱電撃戦で
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次々と 湧いて出てくる台風に 堪えきれるのか 頑張れニッポン
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青い朝健やかに眠る恋人の 恋人のもつ時限爆弾
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見渡せば貴方の欠片かけら散らばって 闇夜の中でキラキラ光り
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言葉を覗くと見えるあなたの微笑みが好きで私もついていく
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疱疹ほうしんは赤くふくれて我に告ぐ「このお身体からだはお疲れですよ」
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いずれ俺も息子にそうされよう だが平気さと今を生きなむ
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ありふれた生活にあるささやかな幸せを詠む彩月に
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あの時の父の無表情 俺の本音を見透かしていた
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霧雨が 濡らす背中は 冷たいが ぬくむ心は 明日あすいしずえ
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寂しさの砂漠に迷うおおかみの 砂に足あと おお やわらかい
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憧れの歌人の本を手に入れた弟子入り気分長月の夜
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この歳になっても未だぬけきれぬ 社畜根性 遅刻を怖れ(早寝)
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