子の頭撫でる仕草でモップ掛け埃だらけの床も愛しい/9/22
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剣友は網膜剥離を克服し錬士六段一発で取り/9/22
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午後三時 朝のご褒美 ほしたての羽毛布団をぽみぽみとする
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「どうしてる?」「元気してるよ。霞とか天ぷらにして塩で食べてる」
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秋空の風にゆらゆら揺れるコスモス時を忘れて眼が立ち止まる
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秋空の呟く風にコスモスが応えて謡う愛の囁き
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節制もそろそろ飽きたよ 採血が済んだら帰りはビールフェスなり>ファミマのテイクアウトだけど
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ギャップ萌えそんな言葉の意味を知る笑う陽キャの俺冬が好き
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砂の城 潮が満ちれば 崩れると 気づいた吾子が 水際で泣く
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言霊の幸ふ国に聞き飽きる 美辞も麗句も誹謗も揶揄も
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体力が枯れたる夕べの帰り道 風の涼しさだけが味方に
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時間なく追われる日々に息切らし 夢見る夜もあっという間に
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愛猫よ、君の隣で百万回 泣いた後に眠りたい 叶わぬのなら猫股になれ
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遠き日に祖母に習いしこの味を今日は我が子へ南瓜の煮物
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階段をひたすら上って下りる吾子 自分で下りる喜び知って
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一枚のハンカチだけじゃ寂しさを吸収しきることは無理です
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今しがた熊だった雲鳩となり龍神になって秋空駆ける
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逢魔時、新興宗教の勧誘にずいずい勧誘し返すおばちゃん
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スマホ持ちパソコン打って利便さを追えば不便の荒波かぶり
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窓開ける涼風いっぱい吸い込んで言葉を持たぬ秋の様々
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野菜からまずは食べろと教えられ入院食を思い出す園
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食育を少し離れて見守つて年少組のドアマンと化す
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見慣れてた年長組の子どもらは小さくもあり大きくもあり
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折り紙に指一本で糊のばし箸が始まる三歳クラス
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道端で背中のばしてひと休み ひとすじの風頬を冷やしぬ
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扇風機しまう代わりにヒーターのお出まし しばし待機されたし
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オムレツはバターのカロリー気になりて ゆで卵にする 採血前日
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Fくんと視線が合えば精悍な顔でうなずく十歳とおのときめき
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真夜中のフラッシュバックの鮮烈が 賑やかに 逝く道 照らしおり
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モネのいて 睡蓮もパリもひかりあり ひかりのみちに ひかりいており/角川武蔵野ミュージアムにて
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