腰履きの デニムに 鼻ピアスの 君は お邪魔しますと 靴を揃えた
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雲間から 明るい月が 顔出せば 人も自然の 一部と思う
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白毛猿お供に連れて荒野出る母をたずねて三千里往く
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秋風が 二人の間 吹き抜ける 恋の終りが それを許した
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そこここに優しい秋が顔を出す 七分丈シャツ空色カーデ
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「とりあえずビール」だなんて言われたら気を悪くするビールもあろう
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ジンギスカン蒙古料理じゃなかったの?!でもバイキングはノルウェー料理ね
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水たまりぴしゃぴしゃ弾むステップで吾が子は踊る時を忘れて
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チェット吹くペットの音を聴きながらまだ生きている事実を思う
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よーいやさ!たけき大人を追かける子供御輿の弾む輪唱
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社会詠、かえって難しいことを知らない人のあふれた歌壇
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岩よりも固い決心あるのだと この歳にして初めて知りぬ
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見とどけてやった映画のあじけなく記憶されてくことぞ悔しき
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人口に膾炙してこそ言葉なれ 正誤美醜を評する前に
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産声の抗議も拍手と祝福を 叫ぶ無辜らに搔き消されてゆき
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浅はかに種は芽吹いて花畑 責を問われて毟る根こそぎ
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誰しもが架空の猫を撫でている 心の中の大切な猫
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「断捨離をすると離婚につながるよ 要らないものが見えてくるから」
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雷に打たれたようだ逆境をチャンスと捉える友がいて
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ああ吾が無意識のうち詠ったか見紛うばかりの歌に微笑む
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ああ夏が懐かしかったと思うたがこの週末にはまた来るらしくて
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うたかたに日々の鬱憤吐き出して 軽くなれるよ救われてるよ
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うらめしい 異性おとこ見る目のない自分われが ひとり歩んでみたい未知なり
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二日めのおでんのやうにしみてくるやさしく気づかふあなたのことば
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君作る朝食はわれ好み弱る私に元気をくれる
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寒がりははや懐かしむ暑き夏 冷え込む朝に靴下を探す
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祈りだよ 明日になったら朝がきて小鳥が歌ってあなたが笑う
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陽が差して ひなたぼっこの ねこほこほこ ゆかでひやすよ おみずものむよ
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母は今日 インドカレーを初体験 「ナンがでかーい」と困惑顔で
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夏だった秋の空から光降り冬のなりかけ 背筋を伸ばす
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