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忽然と 現る栄華 桐の紋 滅びし城は 蜃気楼のごと
8
白髪を櫛けづる手もおぼつかぬ老ひが養ふ子の
五十
(
ごじう
)
かな \8050問題
15
頭突きして きた猫顔で あがり目 さがり目ぐるっと まわって猫の目
7
親戚の鼻筋見ればふと分かり祖父と吾には禿げの血筋も
16
生きてきた証と思うしみ、しわも 鏡の前の薄化粧の春
27
一日
(
ひとひ
)
終へ バツ印増へゆく暦 過去へ戻らず 歩みぬ印
27
攻撃の応酬続き反戦歌作ってもムダ歌ってもムダ
35
雲ひとつ なく広がった み空色 悲しいほど いいお天気
6
石橋を叩いて渡らぬ
七十路
(
ななそじ
)
の君の復職苦難へ飛ベリ
31
人殺す武器の輸出に耐え得ぬと矜持の道ゆく社長の光り (3/6)
32
私たちずっと一緒にいようね、と並んで座る女雛がふたつ
7
野辺の花 寒さ緩みて 生き生きと 咲き綻び 白陽浴びて 独り酒酌み 草枕
4
朝六時 わたしのためのコンサート あなたの寝息と鳥のさえずり
16
おやすみを 言うまでに あと五秒ある 青ならYES 赤ならNOだ
3
我行かば ただ鳥のよう 風に乗り 風に逆らい 居場所見つけ
15
降りて来ぬ 思い浮かばぬ言の葉を 苦悶の末に一首絞り出す
22
弛めたる 身体に沁みる 歌もあり ラジオの時間 一人の時間
17
一戸建て 庭の代わりに 駐車場 それは出るよな 猪鹿熊さん
10
薄明は 世の平等を 体現す 富める者にも 貧しき者にも
10
外国の 古い棺桶 手に入れて 少し直して 寝床したい
3
ボーナスは あなたの芝居 そこにつき イランアメリカ 筋書き進む
8
いまここで 寝てはいけない 思いつつ 寝る気持ちよさ 起きてまた寝る
7
利己と利他
Win-Win
(
ウィンウィン
)
とは いかなくて 人なればこそ 他者に問うなり
9
氷の下をひそか流るる水の音今は健気に春を抱えて
15
憧れて駄菓子でしてるシガーキス火のない所に煙を立てて
8
見ないうちふたりは大きくなったねえ。はにかみ笑う
笑窪
(
えくぼ
)
がぽちり
33
雪虫と呼ぶを知らない子供らのその雪虫が春に飛ぶこと
33
絵日記を付けるが如く詠む視線ピャッと素早くヒヨドリ逃げて
22
子供らにおばちゃん遊ぼと迎えられテントで折り紙そうか春だね
37
手から落つ桜色した
盃
(
さかずき
)
の散った破片が花びらに似て
33
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