記念日に 必要なのは僕でなく キラキラしてるインスタ写真
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麗しき黄金の光すすき揺れそこにいたはずきみとぼくとは
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もしここで 時が止まれば 二人きり 世界を忘れ 心寄せ合う
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坂の上 見上げる雲は眩し過ぎ うつむきながら でも歩いてく
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アーと鳴くカラスの声聞きアーと言う 私も誰かを呼びたいのだろう
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犬が寝た 小屋を怖がる子がひとり スヤスヤ小屋で眠る喜び
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待ち時間 長い分だけ ゆっくりと 短歌作りに 集中できる
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あの春に 隣で軋んだ 椅子の音 私はずっと 忘れられない
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優しいねと言われるたびに裏の意味考えひとりこころ傷つく
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雨の日はポケモン日和家からはほとんど出ずに子どもと遊び
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あめあがり ちま猫ちゃんは もうふさん「わがものがお我が物顔」なり かんづめカルカンでまんぷく
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その服は洗ってから来て欲しかったヤツの煙草のにおいがするよ
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街中にコサージュつけた学生を見かけ別れの季節を知る春
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相撲ほど短時間にて勝負つき見応えのある競技あるまい
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昼前の雪は夕方雨になり 夜には星が見えるだろうか
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人力車外国人が行き交うスカイツリー見える交差点
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新たなわざ しいたけ鍋が名残惜しく 明日か明後日 鍋・りばいばる
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すっ転び推しに言われた「大丈夫?」痛かったけど幸せだった/イベントにて
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いいやもう 北極星の真下の草原でマドレーヌに 絶望そえて
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ふきのとうの芽、ゆきどけのなかから、こんにちは、二人目の孫のごとし
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春近しと思いきや、吹雪と氷点下、寒の戻り春の足音遠ざかる
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電気、水 道路戻りて 安堵せり それにつけても 早期復興
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「心配ある事情」と教師が赤チョーク投げればあの子が「ふ」と吹き飛ばす
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私の意見なんぞも何らかの足しになるかと言う「止めましょう」
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なにもかもおもしろくなく体調も思わしくなくふて寝する春
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せっかくコブシの花も咲いている冷たい雨はもうけっこう
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入り混じりとっ散らかって抗えずエントロピーの増すだけ屋敷
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風呂上がり 目をつぶったまま 動かない 息子の髪を 乾かしてる俺
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幻か水面に浮かぶ鳥居とて潮が引ければそれ現かな
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なぜかしら こんなにそばに いてもなお その一部すら わかりあえない
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