羽ばたけば風身に纏う記憶だけ翻してゆく夏の蜻蛉
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陽射し浴びコラムの欄を書き写す2B鉛筆手に馴染みくる
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今日こそは早く寝るぞと涙した 決意の朝はどこだ深夜よ
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蝉がいない毎年亡骸拾うのに短い生涯どこで過ごした
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アムロちゃん真似て眉毛を抜きまくり現在いま眉メークに四苦八苦
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「最近の 音楽は酷く つまらない」半世紀前から ずっと言ってら
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アイラブユー イッツルーイングマイライフ Fortniteを 泣きながら聴く
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ビルの間の しかくを片目で のぞき見て 海馬に写す 秋晴れの青
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声もなき 小さな者の 気持ちなど 民主主義でも 聞いてはくれぬ
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総裁に なろうとすれば 票集め 大人の利益 大人の意見
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子供らに 接する職業 選ぶとき いい人になれ 優しい人に
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本当は今日はちょっくら泣きたき日 小気バレバレされど踏んばる
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親になる 資格も知恵も 要らないが 親になったら いい人になれ
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人権は すべての人に あるものと 思っていたが 未だに理想
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大人らの 咎める声を 聞かぬよう 賢い子らは 息を潜める
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女性らは 男に抗議 できるけど 小さな子らは 泣いているだけ
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意識して 子供を怒鳴り 黙らせる 大人の知恵に パワハラ疑惑
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子供らの 笑顔を見れば もう一度 生きようなんて 思えるもんだ
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恐ろしや 緑内障と アレルギー ダブルパンチで 息も絶え絶え
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予報士の 例年ですと のフレーズを聞き飽き今日も夏服を着る
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初老にて 植えしゆずの木 幾星霜 香り豊かに たわわに実る
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菜園の 食卓飾る サラダ蕪 真白き肌が 眩しく光る
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身罷りし 共に暮らした 愛猫の 癒しをもらった 十三年うたかたの日々
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筋トレとストレッチにて右膝の疼きが軽減し心やはらぐ
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色褪せた紫陽花の花人知れず涙を流す望月の夜
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美しい夜のビル街 父さんが一所懸命がんばっている
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目覚めれば隣の人に寄りかかりお疲れですか?と優しい紳士/帰りの通勤電車
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よかれとは思って言ってはみたもののどっちでも死なないなら別に
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本当に秋が来たなら教えてね 夏ごもりした部屋から出るわ
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すずの音のふるえる翅を触るるとき 胸に痛しや おののきてやむ
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