台風が 過ぎ去りし朝 よみがえる 肌に冷たき 初秋はつあきの水
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気配なし 溢した寂しさ あやまられ そのわ け理由だけは聞きたくなかった
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街の灯は そらの雲にも恋すれば よるも見るべし べからざるとや
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夜逃げした気になって夢見れば会いたくなかった人に出会うの
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ショップから来る訳わからんDMが誕生日だって思い出させた
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古稀父に「じいじ」の役割与えるは兄夫婦の子=私の甥っ子/キロさん返歌
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マイアミの月を酔わせる2ラン砲打球追う目に確信宿る
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好きな音楽聴きながら君に会うまでの三十分すら幸せ
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オニヤンマ 通り過ぎた 気がした 記憶が霞む ほど懐かしい
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灯り消し 月の光に たたずめば わが身の影の 濃さにおのの
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きみといて 月を見上げて きれいだね 言われてみたい 秋の夜長に
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オジサンが一気呵成に攻めてきた深夜襲来右足の先/今度は痛風
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愛という文字はバランス中心の心の大きさ調和を決める
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病みいては 数えるふしもやむなくて 節々といい 端々という
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名月に 見惚れてうっかり 地に落ちた 色づく前の 山葡萄の実
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優しさ 愛に満ちたる 人生を 送っていれば それで十分
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長く生き 百年生きて だから何 人生の質 気にしてますか
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胸に刺す気持ち ナイフは消えても傷は消えても痛みは消えずに
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過去ばかり 経験ばかり 頼るから 明日の人生 見えてはこない
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年寄りが 頑固になりて 意地悪に 見えているのは 仕方ないこと
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労害を 受けてるうちは まだいいが 自分がそれと 気づかぬままに
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若者が 年寄り嫌う 理由など 今では誰も 覚えていない
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恐ろしや 年寄りばかり 集まれば 歳を感じず 笑ってられる
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さらに上 70代の 話題とは 認知テストの 免許対策
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ちょっと待て その子誰の子みきぴの子? 甥って詠んでた記憶はあるが
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ほろ酔いの 家路を奏でる 虫の声 つと見上げれば 仲秋の月
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アレルギー 夜も眠れず 洟をかむ 昼間ふらふら 夜は早う寝
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青空は 植物のため 人間は 部屋に籠りて インターネット
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嫌な月に追いかけられる恐怖譚 「笑う月」で公房の実験
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博愛の精神唄う我ですが人に絶望したくないだけ
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