満月に ウサギを描く心持ち  子犬の毛にも ススキを愛でる
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暗い部屋 照らし出すのは 冷蔵庫 涙を隠せ ロックンロール
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エアコンの切れぬ九月の夜でさえ鈴虫の声混じり聞こえる
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お月様出たら団子を供えよう いま窓際に置いたら あつい
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屋上で満月を見ること想い迎える今日は十五夜なり
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ロキといふと 北欧神話のアレみたい ロキソニンだよ 頭痛いよ
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二月には待ち遠しかった夏なのにこんなに長いとさすがにウンザリ
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公園で咲く花を撮り調べればスマホが教えるキバナコスモス
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シャボン玉飛んでは割れて空の青美しいのは片恋想い
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ひと夏の堕落のあとに咲く花はまだ誰からも赦されてない
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「竹笹も花実は咲いてから死んだ」めざめるたびに何度でもいう
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遠くには屋久島も見ゆこの岬に立てば悩みも果てに消えゆく
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宮島は御とぐいせりと 音に聞くからすの子らも聞きて伝えむ
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差す西陽徐々にさら西かたむいて陽の入り早く涼む夕暮れ
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黒髪を明るい色に染めたのに僕の根暗は治らなかった
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赤ペンが入った志望理由だけ詰めた鞄で膨らむ不自由じゆう
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いつまでも見つめていたい顔がある太陽なんかにならないで
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消しゴムのカスの玉見てふと夢想星の出来るは似たりしくみか
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彼岸花同じ花なら曼珠沙華故郷くにではこれを数珠花じゅずばなと呼ぶ 
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駆け出したい程に待ってたコーラの季節 来たと思えば弾けて消えた
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自販機のお釣りレバーを下げる 千円をひゃくえんだまにするため
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千円をひゃくえんだまにしたいから自販機探す旅に出る僕
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今日こそはかぐやにモノを申したい 愛をなめんな いや、やっぱムリ
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千円でお釣りがくる旅 行き先は 本の数だけ今日は異世界
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青空がこんなにも近い でも何故か 不安がよぎる足元もぐらり
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夏暑く秋の到来願いしをいざ来てみればもう夏恋し
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人の手を借りずに芽吹いて逞しく 花壇から出る世界を知る為
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目の前の やらなきゃならぬ わかってる 見て見ぬふりで 夢の世界へ
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よちよちと歩いてた時は合わせてた 歩調を今では息子が合わせ
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高くなり 思いのままに 買えないが 新鮮野菜 身体が欲す
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