ひとひらの 淀みもなき 阿字池の 水面とあらなむ 我が心鏡よ
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「しらけ世代」言われて四十五年経ち 熱くならずに無事是貴人
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半袖を 皐月半ばに 纏いたる 酷暑の予感 また抱きつつ
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驟り雨散った桜が溶けそうで句に言い足らぬ春の面影
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夏場所の太鼓敲いて大相撲 派手な浴衣の力士あらわる
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栄光を夢見てしかしだるいです寝転ぶベットにポテトチップス
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近世の血脈けちみゃく遺す夏祭 都心の街に神輿あらわる
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親友ともの為よつ葉クローバー刺し子する やまいの回復願掛がんかけをする
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朝ルーティン少々崩してモス贈る 母の日の朝 気持ちは急きて
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かーねーしょん ねこにはきけんな おはなお花なの おかあちゃんは 君たち居れば
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母の日にためらいもなくカーネーション手にする人の姿眩しき
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包丁で切った指からこぼれ出る 「年相応」ができない焦り
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綿だけのおまえの耳でこの喉を刺してくれぬか抱きしめたまま
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あの子また人体模型の心臓をはずして磨く 雨の放課後
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然るべき天罰を食らうあなた方を暗闇の中喰らうのだ
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マスコミとネットの喧騒足して割る 余ったあたりで僕はできてる
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海賊が宝隠した洞窟の地図手に入れた出資しないか
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声すれど 隠れウグイス 顔見せて 恥ずかしがらず イケメンなんやろ
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仕事帰り 居酒屋で飲む とりあえず ビールと枝豆 自分にお疲れを
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フジテレビ トップが逃げた 責任から 組織ぐちゃぐちゃ 下はヤケクソ
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誰でもが 心の中に 宝石を 才能あるが 磨いてないだけ
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宝石は 宇宙から来た 贈り物 何億年の 輝きを今に
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薫風の 皐月に茂る 青葉には さやけき夢の ほかにあられぬ
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雨雲を押し退けていく 暖かな強い夜風は 月をいざな
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動画にて軽飛行機の操縦を観ながらいつしか老いを忘れぬ
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表情を捨てては拾う職場にて心の闇をのぞき込む朝
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五月晴 空の蒼さが 眩しくて キミのことなど 忘れられそうだよ
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沼の中 知識とプライド 縛られて 隣の沼に 遊びに行けず
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第六感 隣の沼が なんかいいよね リラックスして まず覗き見てみる
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どこが好き 顔声匂い 嘘つきも 全部愛しく 忘れられない
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