帰り際振り返る君言いたそう派手な言葉は今夜は止して
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ヒヤシンス青い花びらチリチリと胸に刺さりて傷む恋情
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梅干しにぬか漬け胡瓜紅生姜 酸っぱいものを体が欲しがり(疲れてる?)
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日常の忙しさを君輪舞曲ロンドなど言うのは止して靴履きたまえ
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上げ膳も据え膳なども構わないそんな器量は直りもしない
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宍道湖のしじみは名物だと言って帰宅する父ホクホクの顔
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起き上がる私に君が差し入れた朝の明かりが視界を照らす
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三月に三時に淹れる珈琲をアイスにするとは思わなかった
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降り注ぐひかりのどけき春なれば集いし人の輪こそ花なれ
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良し悪しは別だが石破答弁が変に楽しい言い方の妙
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すやすやと よいおてんきの まどぎわで ねこたちならんで ゆめのなか夢の中なり
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十六茶 そんなにカラダによいものか 今月ロキソニン飲まず乗り切った
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寒くない風吹き割れた雨樋がどたばたと鳴る春陽はるひ注いで
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自分下げ 止めてと懇願「かわいい」を 受け入れてよと 尻むず痒い
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カゼ吹いて 花粉とウィルス舞っている 大丈夫俺は飛ばずにここにいる
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金曜日彼女らしくない失策で矜持の黒が目尻に滲む
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先頭車両より眺む 爽快に 車窓に映る 線路と桜
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どの町も交替制で夜が来て孤独のノルマを引き受けている
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ねえ聞いて聞いてもあるし聞きたい聞きたいもあるのキミに逢いたい/三月下旬
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親知らず抜かれるとも知らずに そこで聞け俺のアンダーザーシー
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散り際わの花さえ見えずうずくまる悲しみの果てたどり着く土地
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友の歌う「さくら祭り」の舞台なる 「開花宣言」いまだ出ぬらし
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まんまるになったさくらをみにいこう 春をおにぎりごと食べちゃおう
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電池替えチチチと今に走りそなガス点火おん早さにびびる
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ぱそこんと ねこは だいたい せっとなの (乗って)あたためてみたり あたためられたり
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春・駆け足 そんなに急がなくていいよ 桜が戸惑ってしまうじゃないか
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梅満開 三寒四温のリズムずれ オフよりオンのシェア上昇
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君の背を抱いて跳躍したせつな夢から落馬した僕でした
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墓参り済ませ安堵の夕日差すコーヒーの香とカーペンターズ
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「春雨じゃ濡れてゆこう・・」どころじゃない雨足に庭の積雪もぐんぐんちぢむ
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