出遅れた 白鳥一羽 おおあわて 羽ばたきの数 目に見えぬほど
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冬らしい冬にこれから三ヶ月秋はなかった夏から急に
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朝光ちょうこうと曇る吐息に照らされて あわく輝きたる白椿しろつばき
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不吉なる庚申塚の立つ坂を 歩く速度を落とさず登る
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性格が真反対でもデジカメはくっつき過ぎを撮りたがる今
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父とが楽しげ歩むその横を 軍人のように我は追い抜く
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茎太く育ち過ぎたる小松菜は うでて食ふのか漬けて齧るか
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片手間で 子育てをして 片手間で 働くなんて 子供も減るわ
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少子化と 共稼ぎとは 相容れぬ それがわからぬ 現代社会
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子供らに 必要なのは 父と母 職場を離れ 戻って来いよ
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偉そうに 指導するだけ 先生は 子供にとって 迷惑なだけ
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子供らは 言われたように 呼ぶだけで 先生だとは 思っちゃいない
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友もなく お金もなくて 先生と 呼ばれるなんて ふざけた話
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先生と 呼ばれてなんか 調子乗り いい気分だと 思うこの頃
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冬日差し ひなたぼこする 背を丸め しばし私は 猫になります
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咲いてみて駄目な花だと言われたら ヤなので寝ます根も葉も枯らし
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空腹時宅配ピザのメルマガが届くとピザを頼みたくなる
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雨の日も君の隣で歩けるとたちまち晴れてしまう秋の日
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誰よりも名前を呼んでくれた人私はあなたのようでありたい
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染み渡る吟醸喉の呑み心地カウンターには地元の人たち
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片耳で感じる音が全てだと思っていたのに違ったみたい
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さっそくの忘年会も蟹鍋かあいつがいなくて増えた取り分
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次の世は、時間の概念無いと云う、 そうだとしたら、生き続けるかも。
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独房の施設見学、教室の机みたいとは言えなかった
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故郷を発つあのときの決意さへ、 年を重ねて、忘れてないか。
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厳しさを味わい尽くした柔道部シャープな動きは変わらないけど
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サンタさんいると思ったのは昔大切なのは中にいる彼
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賢そう言われるのだけ本当でもてないのはもう内緒にしとく
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ほっこりとするのはいつものファミレスで君がチャイムを押すのを見てる
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蒼空を黄金に染める銀杏の梢のカラスに天下取られし
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