バレッタと言うらし髪留め可愛くて七十路にして妻に初恋
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豪雨去り 幾色もの雲 重なりて 朱の空飾る 夕暮れ美し
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思い人  想い出せば胸の奥  ちょっぴり沁みる むらさきの夕べ
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百均でS字フックを買うことをスズキ車のロゴが教えてくれた
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建前をそらんじ続けた就活期 抑圧の本音 じんましんになる
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【納涼】天上は すずしくさわやか そのまえの やきばはこんで ドライアイスおもい
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ほんとうの心のうちと建前を使い分けれる大人になりたい
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ゲリラ豪雨 警報でてた あとが蒸し ヒトはぐったり ねこは遊んでる
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夏の雲だねぇ!むしゃっと千切ったら何人分の綿あめになる?
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豚バラを頼んだら豚こまと間違えて クックパッドを検索し直す
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恒星のまばゆい死期を焼け残る遺骨としての純鉄の核
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夜明け前蛇口をひねりその都市の経絡となるダクタイル管
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罪深い無色無臭の処理水は今日からじわじわ海へ広がる
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お気に入り袖を通せば振り向くわ君の色イメージした浴衣
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友来れば そのたび猫は警戒し 帰る頃にはようやく慣れる
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嵐山 気候良い時期に行きたいが 日本も最近ほぼ二季であり
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健診後きょうくらい 自分に甘くて良いだろう? ラーメン大盛味玉付きで
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詩に淫すこともなかれば八月の縊死の牡犬駈け廻るなり
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人類の存在こそが罪に見え赦されたくて海を眺める
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「ありがとうございます☺︎」たったそれだけを 何度も書き損じては丸める
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チビ猫が おひるもらいに起きてこない そんなものぐさ 母に似ないで(笑)
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気に入りの月餅 早めにゲットする お月見時期には売り切れるから
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デジタル化 ひとつコケれば みなコケる 紙カルテの時代 懐かしみ
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院長の パソコンご機嫌ななめにて 進まぬ診療 吹き出す冷や汗
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花火をば 見上げる影や その曲線 無邪気な君よ 手に汗握る
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君がため 髪を解いた あの夏夜 三時半ふと 飲んだあの味
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きみが僕の海に浮き星うかべてく 全部全部が星空になる
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若き日の私を全て抱きしめて 楽しみ見つけ生きる毎日
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夏バテのラジオあれこれなだめつつ叩いて振って品届くまで
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ラヂオから抗うと言う語の聴こえ来てやってみるかと思ったりする
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