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白き部屋にて「慈悲をしてください」ときみがなくとも日々は止まらず
5
ミニチュアの潜水艦に乗り込んで空想の中を深く深く
9
梅雨入
(
つゆいり
)
を告げし 笑ふ薄紅色
路端
(
ろはた
)
にて 伸びゆく
立葵
(
タチアオイ
)
22
あのふたり一年足らずでゴールイン?そりゃめでたいねところで君は
2
傘を持ち、ささずに濡れるあの人の交じらいがたさ 交差点にて
4
ぼんやりと 思い出すのは 淡い君 風が揺らした 群青の夏
8
見つめてて 画面の向こうで 歌う君 ぼやけてるけど 見つめているよ
3
死にたいと 思ってる割に 買い直す 準固体電池 モバイルバッテリ
5
アメリカの 映画音楽 見ず聴かず 今訪れた 和解の時が
13
きみがいた期間分だけ忘年をするさとふるの蟹半分食う
10
付き添いの一日がかりに疲れ果て 受診するかと迷ってみたり
15
夏休み プールへ行った 帰り道 禁断の味 コーラにむせた
14
手入れせぬ庭にも甘い香りして今年も咲いたバイカウツギの
20
もうひとつの顔と名前を手に入れた真犯人は夜へと潜る
3
一年もかかるのならば今すぐに始めなくちゃね安泰なうち/悲願
16
初夏の峠は濃ゆく緑増し ポツポツ白くナナカマド咲く
26
路地裏の軒に
弾
(
はじ
)
ける雨水に濡れてもしばし見入る紫陽花
12
伏す父に 席を譲りし 青年は 青い目をした 西洋の人/感謝
28
くしゃみしてうるささ咎める人は居ず咳に労りくれるもおらず
15
「ねえパパはどこへ行ったのママ」「庭にいるわよいつか掘ってみなさい」
18
石鹸の歌うたひつつ子と湯浴み石から生まれし泡にまみれて
14
トンネルにルージュがひとつ転がってイヌサフランはしずかに咲いた/折句・トルコ石
9
公工事 整備点検 おろそかに 気候変動 見通し甘く
14
たけのこが身長ほども伸びたので切ろうと思うまだ切ってない/せっかく伸びたものを
12
たんぽぽが咲いてた道の道端にシロツメクサが今群れている/折々
15
不埒なるチラシは今もカラー刷り 自粛警察さあ出番なり
13
アパートのガラスの向こう坂のうえ温室猫にまた会いに行く
8
勤勉もプロ魂もほいさっさ 計画運休それでいいじゃん
15
受け取った薬の容器色サイズチグハグになるあり合わせ技/ナフサ
18
謝罪して理屈にこころ追いつかず溜め息ほどでない息を吐く
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