善悪を 他人に押しつけ 裁く時 緊張感と 怒り反応
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寒い部屋 パソコン向かい 独り言 現実よりは 気楽な時間
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他人から 注意されれば 腹が立つ 褒めてもらえば うれしい気持ち
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古希過ぎて 健康寿命僅かなり 抗うこと無く  悔い無く生きをり 
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栗の身の、トゲある服に、守られし、美味しく熟れて、食卓飾る。
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ふる雪とつめたい空気をあなただと思うくらいに愛してんのさ
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古びたるWin7のパソコンにUbuntuを入れて現役復帰さす
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夢の中季節外れの金木犀 禁断の味 歯が痛いから
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子供のわたしに殺され起きる この呪いは憎い青春の色
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新自由クラブというのが有ったっけそういう父にオヤジと言う娘
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いろいろと親に説教されたのでもう行いを止めると土下座
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鈍行の列車に雪が降り積もる電気ーヒーター温もる背中
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寒中の海に神輿が落とされし海の男が奪い合う神
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もう予約したのと母に聞くおせち今年は彼も来るからと言い
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雪渓をザイルを持って渡りおり皆の吐く息白く広がる
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いわく無であろうとする誤魔化ごまかしにほとけと言う名の信心しんじんがある
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十両の赤い実のなる植え込みにスマホのカメラを向けて撮る冬
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君と行くファミレスでさえ言い出せず他の男子の勇気が欲しい
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傍らに男のあるを聞きめて乙女と知りぬ姉といふもの
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怖がりの息子が飛び込む温水のプールの台をじっと見つめる
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ポポポポポ 呼び込みくんに歌詞つけた天才を想う 独り ドンキで
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途切れなく降る雪の中歩む道街灯の灯がほの明るくて
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今日もまた海に行けない棺桶に乗ってグルグル山手線
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ねんいっかい 窓用ワイパー 霧吹きも ガラスきれいに あらゃキズめだち
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水中に深く潜れば音は無くしかし浮力が上へいざな
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隣でさ目がくらむほど魅せてくれ終幕までの君の生きざま
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30年前イチロー来たる地元球場まさかあなたも観ていたなんて
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守秘義務が吾の心を悩ませる王の耳見た床屋の気分よ
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八つ当たり 自己嫌悪に苛まれ また繰り返す 愚かな人間
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きっともう大丈夫だよほんとだよ 全てがうまく行く気がするんだ
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