独り言 ぶつぶつ言えば 恐いから 短歌にしたら いくらかましか
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雨よ降れ もっと降ったら どうだろう メロンが全部 芽が出るかもよ
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あまりにも つまらぬことで 議論して 突然ズーム プツンと切れた
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生命を喰らい潰す私は魔王 雑草を抜いているとき たらこを食べているとき
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水曜の午前の床屋は混んでいた働き方って変わったんだな
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石庭を模したる如き静寂の波打ち寄せては錦の浦に
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ぬるま湯に首まで浸かり生きている 何にもなれぬ温泉たまご
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なんでなの答えられないその問いに 説明できない怒りを感じ
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理由ワケもなく君を想えば時は過ぎ。幸せなのか? 通じなくても。
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久々に家で作った味噌汁に一番ほっとしてるのは
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占いに頼らず生きたい本日のラッキーカラーはインディゴブルー
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今晩もふるさと納税のうどん 食べ切るまではダイエットだめ
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静けさが映る湖面に霧時雨きりしぐれ向かって語るひとりの夜に
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朝青龍 祖父と鳴らした手で今は 緑茶をすすり ひとりラジオを友にする。
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最速にこだわるなかれ大の里 綱を張ったら守らにゃならん
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義父ちち作る米をもらって数十年 私も米を買ったことなし(縁故米です)
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乗り越えるそこにいるのは私だけ 自分で自分の背中を押すんだ
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梅雨入りを前に 訪れる夏日の かき氷の美味し 五月下旬
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あの人に僕も見たよと言いたくて探すドラマの名はうろ覚え
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おひとりのフードコートで食べ終えたスプーン見つめ時間を止める
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ぽたぽたと垂れる涙が凍りつき氷柱つららとなりて心に刺さる
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永遠に 箸を転ばす 駐輪場 ペトリコールで サスペンド
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大地蹴る蹄の音を聞きながら地団駄を踏み馬券を破る
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きっとまた会う日が来ると引っ込めた言葉は今もしまわれたまま
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清らかな 花の色した 十字架草 花言葉まで 美しかりき/澄様へ返歌 『 有難うございます』
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ほろほろと酔うて見上げる春霞 畔を駆けゆく子どもは跳ねる
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君がため 祈りの歌を歌います それは生命いのちで私そのもの
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義理すてて 粋もすりきれ 夕焼けに 抱えたしろは 朝に消えゆく
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入り混じる長袖半袖ノースリーブ 街は一つの大きな花束
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プリクラの落書きブースに置いてきた鏡と櫛と あと青い春
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