光のあみが足にやさしく絡みつく 初冬の海がゆびさきに沁む
25
熱が出て定時退勤ラッシュアワー ゆっくり帰るべきだったかなあ
9
かぶとむしゼリーの澄んだ赤色に光を透かせば夏が聞こえる
16
思ひ出をだいじに去らむわれわれと入れ替わりにホテルに入る家族
26
想いごと断捨離するに躊躇いてクローゼットが手狭になりゆく
7
嫌ならば 嫌とハッキリ 言ってみる お前が嫌い あんたが嫌い
3
程々の緩さを秘めて仕事する真面目なあの娘に伝えられたら
36
正しさを 振りかざすという 間違いを お互いしてた 正しいと信じて
5
三日月が 冴え冴え見下ろす 南の空 明日もこの月を 一緒に見よう
19
同僚ともからの 旅の土産に 温もりぬ 忙しくとも 足痛くとも
23
上の部屋伝わるヒップホップ騒音で揺れる身体は下の部屋にも
4
近眼が  老眼なれば  チャラされて 元の視力に  戻ればええのに
6
西向きの窓に夕陽が落ちる頃、母のラパンが駐車する音
11
赤と黄のポール路端に立ち並び 冬が来るよと指し示してる
17
冬の日の景色と思い重なりてあと幾度かの紅葉散りゆく
16
ラーメン屋 開店を待ち まだ眠い 午前3時に 列を成す人々     
5
ひさびさに ずつき頭突きでおこされ かんどう感動よ 白いティラミス スプーンどこだ
13
車には車幅の神様が乗ってて 「多分大丈夫」を叶えてくれる
6
長野には風が吹いている千曲川を 流れるように風が吹いている @長野短歌
8
冬寒夜 歯ブラシ一つの ワンルーム 銀の星と見ゆ 頬から落つ
4
適当に運動会をやり過ごし代休こそがイベントだった
21
飛んでいった貴方は願いを込めてとんだのか 夢も見れずにとんだのか
5
巨大なる駅ターミナル冷える陽に老若男女分断される
16
君が描く 仲間はずれのない話 見つけて渡す 黒のクレヨン
13
くるくると回る落葉で気付くんだ風ってこんな姿なんだね
25
我こそは 語られなかった物語 現れなかった 約束の人
8
前足を「ワンちゃんの手」と云うあの子オトコの前だけ・・・そういうオンナ
6
冷雨れいう止み 冷へ込みぬ朝 雪富士の さやかなる 冬隣ふゆどなりの丘上
26
あのひとの 子を可愛がり 恨めしく  思うわが身の はしたなきかな
17
くちもとに かかる火の粉を はらわいで  熱さのあじと 匂い眺めん 
15