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遠近
(
おちこち
)
に残る雪山飛び越えて旅だつ白鳥鳴きかわしつつ
38
制服着て大人の気分背伸びして校門潜り吹く風光る
17
十六と
二十歳
(
はたち
)
を神が結び付けあなたと逢った春があったね
17
折々に思いもよらぬ蹉跌来る世に萎縮する客人なるゆえ
10
君が代の斉唱途中でハッとする歌詞画面読み和歌だと気づき
14
日に透けてやさしくそよぐ木々の葉は燦々として風に煌めく
14
掲示板に
自転車
(
チャリ
)
の鍵 木の葉にペン字にて 「おとしものです」のメモ添ゆ
21
殺人に使っちゃダメだ包丁は殺した後の調理に使え
10
「押すなよ」と言えば押されるこの国はアリスの国を超える不思議さ
7
マンションの三階までも階段を登った花びら廊下に散らばる
13
白熱の逃げたい心捩じ伏せて由伸に点け二つ目の星
7
悪夢みた うちにはねこはいるけれど 獏も飼いたくなる朝がある
27
花開く月下美人を袖にして誰をか思ふ互ひの瞳に
7
今日だけのまじないだから書いとこか虫除け札は逆さまにして/卯月八日に
18
シャーロット いつも会う
場所
(
ところ
)
横断歩道上
(
おうだんほどう
)
君も私も 同じルーティン /犬です
18
めぐろの川 花筏みちて そよぐ東風 三々五々に 天の川へと
14
夜明け前 日の出を急かすかのように イソヒヨドリの笛の音響く
11
ファスナーで夢をこぼさぬようにして 眠るチケット起きて時間よ
10
桜花なり 僅か十七逝きし友
存え
(
ながら
)
し身は恥の多くて
14
※ 花祭り
(
)
雲はゆっくり 離れ行く 朝の冷たさ 良き日の証 ※お釈迦様の誕生日
17
口語歌と 文語の歌と 一目見て 「位相語」の如く 違う語彙の差
14
「見せ消ち」を 読むは楽しも 定家書写 御物本なる 『更級日記』 /影印本
11
白妙の 懐紙に赤き 跡とどめ 唇を押す 指を反らせて
12
さみどりの 紡錘形の 莢の内 黒き実放つ 天竺の香(こう) /カルダモン原産地天竺
13
東京に負けた気がした帰り道何に負けたかわからないけど
19
「五分間」閉じ込めようか永遠にそう願うのは僕だけだった
15
夏来たる ぐんぐん伸びる たけのこや 季節彩る たけのこご飯 母の味 ほくほく匂い 笑み溢れ
6
一夜明け 明るい陽射し 降り注ぐ 雲ひとつない
灌仏
(
かんぶつ
)
会
(
え
)
の日
25
2
時間余の眠りにて飛んでイスタンブール目覚めれば晴天あさひ眩し
14
雨間
(
あまあゐ
)
の車道をば 通過す車 散りぬ
桜花
(
おうか
)
を 振り払はぬまま
29
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