ひより日に 木洩れ日の杜 人知れず 肌馴染むのは 薫る春風
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散歩道 行く人絶えて 草萌ゆる それにつけても 早期復興
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長引いた余寒 去りし日 極端な気温差に 食むアイスクリーム
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つれづれに心に浮ぶ我が情け数多あまたまとめて詩集となせり
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輝きの失せた自分の灰色で迷彩してる新宿の夜
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今日の日を 忘れはしない あの瞬間ときを すべての人に 幸多きあれ
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春雨じゃ 濡れていこうと 出かけたが 我に返って 帰ってきたよ
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早春はるの朝 水は意外とつめたくて りんごを洗う手もひんやりと
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投薬🐱が ずっと一勝一敗で 朝は気が重く ダラダラ起きる
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すたすたすた ねこが しんしつ寝室にあるいてく 抱っこで行くときも どっちもかわいい
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見てないと何かしでかす寝たきりの不確定性俺の母ちゃん
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いつまでも 願えないで いることは 最大の神さまへの冒涜
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品不足多めの買い置き役立ちて計画停電昭和な暮らし
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桜道 僕には切ない 景色でも 君には綺麗な だけなのだろう
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気が引けて東北だけどほぼ無傷ぞろぞろと来る列を見送る
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車椅子荷台作ろか嵩の張るおしめ要るだろ寝たきり避難
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青白き炎だけを母親の代わりとし 送電再開をしばし待つ
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「あの日」はさ 生まれたばかりの 僕たちで 思い出せない 少しの悔しさ
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遅く起き 溜まった通知を 消していく 君の言葉は 急ぎ返すよ
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この冬の 雪散りし空 暮れなずみ 家並みの淡く 春待つ夜よ
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犬を連れ朝の日課の散歩では話す知り合い二三人増え
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水跳ねるプールの泡もすぐ消えて爽やかさだけ光と残る
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どうしても一緒にいたいあなたの前で「消えろ」のとこが歌えなかった
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年度末旗振りの日はまだ寒く向かいのママは知り合い多し
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「ただいま」に応える人がここにいることは奇跡と気付いたこの日
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十四年 辛苦抱えし 人々に 光の差す日 来るを祈れり
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今朝は雨 季節が進む 着実に 地軸のずれは 本当だった
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コチコチと 静かな部屋の 秒針の音だけを聴き 眠れぬ夜は
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遠友に 次の来訪 尋ねけり それにつけても 早期復興
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姪っ子の結婚迎え寂しくも願うは桃の夭夭ようようたらん
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