お元気な ばあちゃんたちが ディズニーを デニーズ言うのを そっと見守る  
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揺れ動く大縄跳びの心臓は 生きる喜びの証だろう
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哲学の書物を読んで水を飲むやっぱり私は孤独であった
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チビ猫は ゆうやけ夕焼けさんとか みたいんだ はくれちゃったの じゃあ ねんねする
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山脈を越えても越えてもなお高く人の営みちっぽけなこと
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雲まといノコギリ歯のようにそそり立つ地球の呼吸雄大語る
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大切なあなたをあの日失って二十一だけ増えた体重
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七五三着物も飴もない君の瞳が強く輝いている
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ずっと好きなんてそんなの綺麗事そうしていつか昏い執着
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箒持ち精霊流し歌う君 ギター始める僕は今62
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露かかる網もて秋色引っ掛けて山辺に蜘蛛の紅葉狩りあり
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三時間目に雨が降ります 自分勝手天気予報士 資格有
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満たされる事なき渇いた魂が無表情の下叫んでるんだ
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心臓に 悪いが一転 胸熱く 心動かす 強者つわものどもよ
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自転車の サドルに触れて 思い出す 犬の鼻先 湿度とぬくみ
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これはもう コーラというより 氷みず ストロー鳴らし 君を待つマクドで
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月の道 横切る船は かげろいて 漁に出るのか 時空の旅か ③
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海駆けて 渡れたならば月の道 金木犀の都に着かむ ②
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海の上 低く明るい月があり 光の道が浜へと至る ①
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煩悩の 断つ木刀や 修学ぞ 為す術も無く 教師の元へ
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謂れある 黄金の国 ジパングの 俗説とやらは 今や幻
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難病で 召されし吾子の 墓参り 心落ち着く 秋の一日
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ゆでたまご剥いて剥いても薄皮が残る姿が私みたいで
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例文の男女がどうも気に入らずハッピーエンドを書いて提出
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散歩道ルート設定あれやこれどう変えようと熊が出ている
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精神科 先人たちの苦しみの歴史があって今があるんだ
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「春菊か」「いやこれ水菜」言うけれど 違いがわかる 舌持っとらん
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ひこうきの澄んだ轟音そらあおぐ 青から白へこころは黄色
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アイフォンを 使っていない 知り合いは ヒューマノイドと 決めつける俺
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群衆にもまれるなかで僕らだけ手をふり分かつ深いサヨナラ
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