見送ってくれるならそれだけでいい 忘れない約束もいらない
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午後に聞くオルゴールの曲優しけり尖りし吾を撫でるが如し
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木枯しの一号雲を掃き清め澄みし御空に十三夜月
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霜月の 秋の夜長は人恋し 三十一文字に想ひを託す 
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元カノが ウチの近くの コンビニで バイト始めた 平日の午後
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午前二時時間泥棒居たんだと寝る前に飲む『ナイトリカバ〜』
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掃除機を使わなくなり歩くたび髪を拾って集める提供
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拾われてヘアドネーション合格の抜け毛の長さは日々伸びてゆく
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下の名を呼ばれることが減るにつれ 背広が皮膚に溶け込んでいく
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街じゅうに転がる愛をひとつずつ拾い集めて作る花束
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いつだって指をくわえて見ていたの特別なこと愛されること
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頭から 出てけかつての 愛し人 半年経てど 哀しさ忘れず
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愛してた優しい温度でつむぐ声目覚めた僕に夢と知らせる
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ひとつだけ輝く星を手に入れて抱きしめ眠る夜のしるべに
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三毛猫の頭を撫でて願います、君の一日幸せであれ。
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本にはさむ紙のきれはし 栞になったら大人
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夢であれ現実であれねむらせてくれるのならばどちらでもよい
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ここにいて愛だと言って許さない私のすべて壊したくせに
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水の泡なるしかないかこの恋は君の瞳はあの子を見てる
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立ち止まる事は許されない輪廻 母なる海を発ったがさだめ
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まっ暗な海であなたが迷わぬよう、明かりを灯すわたしでありたい。
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自らの体調さえわからぬ阿呆のためにマスクをつける季節だ
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ドライヤー 髪巻き込まれ 焼け焦げた 臭いが我の 火葬の香かも、と
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カルディの お誕生月ポイントで 約300円の 菓子を購ひぬ(今年は、大好きなヴェルタースのキャンディにしました😸💕)
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衣食住 丸ごと全部 暖かい ものに囲まれ 冬に備える
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目に涙浮かべて走る環状線 不意に流れたくるりのせいだ
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通知を溜めて隠す君の壁紙 隙間の笑顔。楽しかったな。
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だけど、まだ、歩けるんだと言い聞かす がらんどうに埋めた強がり
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木枯しがガタガタ言わすガラス窓冬支度しろと言ってるのか
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雪虫と 風吹く街は 碁盤の目 故郷の友と 歩く裏路地
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