秋色の葡萄たわわに連なってわたし一粒消えても誰も
0
はじめての答え合わせを 繰り返し夢のあなたを記憶した手の
0
心臓の真ん中刺して永遠に傷跡残すメールが、今
0
あの夏の忘れ物箱に入れたのは麦わらだけではなかったはずだ
1
きみのまだうまれるまえも夕暮れはあかあかきみに恋してたんだ
0
硫酸の雨の果てにはサファイアの夕焼けが待つ火星の大地
0
くらやみのラジオで誰かの思い出の古い知らない音楽を聞く
0
ああ君が隣にいない傷なんて忘れるほどに美しい月!
1
触れ合った音だけ拾えば抱いている君の寝息が世界のすべて
0
今日僕は ケイタイ番号を かえます 人間関係の 断捨離完了
1
「役に立たない消しゴム」がデジタルの紙面の上で役に立ってる
0
手を伸ばす 届くはずない月さえも掴めぬこの腕ましてや君など
2
善良で生きてるだけで、この世界の 誰かの救いになることもある
0
気力では どうにもならない 世を生きる 君に敬意を (あるいは、さよなら)
0
(本当は 選ばれたくなどないんでしょ?) カップの底から 声が聞こえた
1
君の持つ 秘めた火花に どうしても 惹かれちゃうんだ、羽虫だからさ
0
活発に古典ワークの片隅でパラパラ走る彼こそタフネス
6
冬の朝ネット投稿で始まりし短歌の世界へ皆で連れて行く
1
シートとか ☆とか♥️とか 点数で 僕らは評価されたくなどない
0
結局さ みんな時間がないんだよ たった三十一文字ぶんも
0
さぁ歌え 小鳥や海や、青空も 歌っていれば 痛みも忘れる。
0
くらい海の 底からもがき続けたら 掴めた、赤い、誰かのバトン
1
呼ばれたか 望んだからか わからない わからないまま 今ここにいる。
1
僕を幸せにしようとしないでよ (殺したいなら 話は別だが)
0
化け物に なってこの町を出て行く 夢を見たんだ (夢じゃなかった)
1
人に好かれたくないんだ、この僕は 「僕なんか」 いや、「人間なんかに」
0
『人は第一印象が九割です』 ここまで読んで 血反吐を吐いた
0
つきあかり 眠れるすべてのこどもらのおでこにやさしいやさしいキスを
1
忘れてる気がする帰るべき場所を かんばせあかく染めて残照
1
開かれる紙の扉の向こうがわ 山手線が雨を聞いてる
0