あたたかい家のあたたかさはきっと返り血だろう あたたかい赤
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Life is(神経質な、可塑的な)like a Melody こわれる、ようし
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あ、✩.*˚海砂利水魚 世界は何層も、幾星霜も星が降る夜 
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猫なんて君に姿の形なら月夜のフォルム想いを馳せた
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冬の夜UFOが来て松の木を攫い霰を降らせるという
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ストーブのコンセント足で引き抜きし日 向かいの猫が死んだと聞いた
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復活祭に 捨子から拾ってくれた 実母に洗礼を受けたる 幸せ一杯な二歳かな
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ゆで卵初料理は鍋の中 コロコロ回しカラ取り大変 
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この死体一緒に埋めれば俺たちは運命共同体になれるよ
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セックスを重なると言うけど皮膚がどうしようもなく僕らを隔てる
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出会いとは 人を変える ものなのだろうか 別れはもっと 変えるのだろうか
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追いかける 恋はつらいですか? 楽しいですか? どっちでもないし どっちでもある
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恋なんて 何回目だろ けれども これは初めての ケースなのです
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遠坂とおざかという場所があり真夜中に行くと火花が散って寂しい
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性欲をひどい仕方で用いるな/しかし間違うことは避けたい
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「今地球の入口にいる」波打ち際に立つ少女からのLINE
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遠目から見た青い屋根見てときめくほどに恋しい遠いあの海
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弟は ちかくて遠い 結婚か 名すら忘れた 同棲相手
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「この文章、解釈次第でどうとでも読めてつまらん」それ僕の遺書
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ちりとりにずっと入らぬあの塵に似た悪口を抱えて生きる
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五十二や仕事に介護日が終わる昨日も今日も日本の姿
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白きもも味わいたいと撫でいればいいひびきねと開くくちびる
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いつまでも親指のままでいたならばLikeyを知ることはなかった
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はじまりはまっすぐだった赤とんぼ一昨日ひしゃげ今日はぺしゃんこ
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浜辺にて波は轟き地は揺れて鼓膜濡れるも眠る母親
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冬の田はゆきもやの中どこまでもどこまでも地をつづくきがした
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明日から遠くに行くという君と今日会えている僕はラッキー
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父の目を子が手で覆うその隙に子捨て、旅行に出かけておいで
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バースデー 夜中祝われ 思い出す 研ぎ直そうか 欠けた包丁
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電線の三点リーダー ぱらぱらと空の音符に変わる椋鳥
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