両岸に桜あふれる目黒川 君のニットも桜色だね
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かみなりが玉虫色に光ったらそれを合図に駆けだしてくれ
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求人を募集してますこの都市の底に澱んだため息掃除の
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プリズムの光がこぼれて目にささり こんなにいたい光ははじめて
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しあさって わたしは死にゆくとりになり 何もかもも忘れてしまう
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口元はどんな感じで歩いてた 今となっては思い出せない
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恋人たちはでっけえ愛に埋められて息もできずに老いて死んでく
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苦しくて 辛く悲しく それだって 短歌ことばにすると 心やすらぐ
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死んでいるような私も歌くらい詠めるのだから君も生きろよ
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君に届いた こころの手紙 開けてみて 君のことがさ 大好きなんだ 
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くちびるの上に3つのホクロある 近づいてくる檸檬レモンの香り
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さみしいとさしみぃ?見違う娘です一応保育士2年生です
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誰とでも恋愛できる付き合える強がらなくちゃ辛い離婚後
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夕ごはん一緒に食べると言ったじゃない!持っていくんだベーグルパンだけ
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母自作の小説らしき断片のハードディスクは見ないで捨てた
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駅前の花屋を素通りした回数、五万八千二十六回
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足掻いても勝ち目がなくて嫉妬する 君が食する石焼き芋に
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あの夏の日の入りのようにゆるやかに私の最期もそうでありたい
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笑点のメンバーカラーのビオラ咲きダジャレをひとつ独りで失笑
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不器用な君が病の我に出す精一杯の“ちょっとぞうすい”
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ひとことが許容の線を踏みにじり元通りにはなれずに疎遠
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足元も視界も遮る薄紅の桜吹雪は別れの合図
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日曜日 フレンチトーストのにおい 迫る明日への威嚇のために
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スイングをひとつふたつと繰り返し君の重力圏から離れる
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韻律に心当たりのある者は放課後倉庫裏に来なさい
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明けぬ夜はありません 平凡で楽しい詩を待っていますね
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忙殺の朝に靴下片方を 失くししばしの シンデレラとなる
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水に浮く油がそうであるように、僕の座った席が見えてる
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靴箱で次の短歌を見つけたら修了試験が開始されます
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冬服を衣装ケースにしまいこみ、味付け海苔をかじる日曜
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