ふあふわの犬を抱きしめるみたく愛してみたい赤の他人を
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傷ついた分だけ星になればいい 倣うように貴方に堕ちる
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初恋に「だった」が続いたあの朝に飲んだ苦味を忘れないでよ
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仮初めの夜をしゃぶって待っていて闇は散り散り花はもうすぐ
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夢を見ることはバクに任せたから僕は現実から逃げるバイト
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本を読むことに疲れて本を読む 私を癒す言葉がそこに
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春が夜の浅きに咲いた白蓮の、流れ來をうく――宙の底にて
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骨伝導イヤホン外すとしんとしてどこか似ている 恋のおわりと
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意識とは谺の谺の谺……だとしても十分うるさいのだが
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あの雲の 割れ目を切り裂く、あの日差しになりたくて、なりたくて
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枯れ木の枝を 揺らした風に名前を付けよう もう会わないからさ
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世界はちっとも変わらない 僕は美容院にいくけれど
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ペンギンが雪の上を歩く様をただただ眺める仕事をしたい
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白髪をグレイヘアーと呼び替える 夫は男、私は女
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喘息の僕を何度も運んだねプリウスの背に弔いの雪
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君の耳を覆ったままのヘッドホン 僕の声はJ-POPに負けた
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隣室の赤ん坊の泣き声が掃除機の音をかき消していく
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雪を経て桜は色を増すと聞く 厳しい日々もやがて糧になる
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ハチ公のような顔して立っていた改札前で泣きそうになる
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夕方のことを「エモい」と言う君 そう言われればそうなんだろうけど
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もうやめたtheirとhisのバレンタインもうこれからはmyのチョコでいい
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ケヤキかと君がなぞりしふちどりに指先伸ばす影ただひとり
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ピロー寄せソファのすき間に朝陽差す君が身体の重さだけあり
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独り身のキッチンに残るハンカチーフ檸檬のはじける光まぶしく
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ナンバガをよくわからないと笑ってた 笑ってくれたの間違いかもな
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雪となり死んでしまった僕の身を恋で包んで抱きしめてやる
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ぱいなつぷる って進むためにパーを出す君に私はグーで応える
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摂氏5℃の世界の雪は雨になり泣いてないのに泣いているよう
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空腹だ赤い目をして血を探せ野良犬何処だ最近いねぇ
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今日あれがこれしてこうだったんだ、ああ、おやすみの後に思い出すなよ
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