夕焼けを背に胸に浴びおさなごの行きつ戻りつする長い影
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リビングの電気がつかない部屋に住む君からウニの気配を感じる
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眉間に皺を寄せて眠り込む君の眉毛や鼻にデジャヴを感じる
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人づてに仕事を辞めたと聞きました 頑張る理由が私ならいいのに
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「本当に君が必要」だと思う朝 リップクリームを失くしたりして
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簡単なリップサービスの一環で人を殺して生きてる星人
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餃子から皮だけ剥いで先に食べ 後から中身食べる楽しみ
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青き空 目映きボードに 夢のせて 雪の半筒 縦横無尽
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三つだけと決めて飲み込み 後はただ 四角い光を見つめてるだけ
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宇宙そらを見る 幾光年のまばゆさ きっと私 孤独ではない
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昔から 聞いてるようで上の空 私の口癖「すごい」「なるほど」
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雑草が茂る公園 土管の中 死体を演じた 昨日の夢
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朝バイト起きるのホント辛いけど おばちゃん達と朝日浴びれるから好き
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我がもし将来恋をしたとして その本質はおそらく君だ
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「わたし」という語は知らずとも一本の発煙筒はあったはずでは
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数学を教えてほしい訳じゃなく あわよくば君に触れたいだけです
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モノクロの 僕の世界に それは鮮やかな色を塗りやがって 好きだ
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でん線の終着にある古い木に、懸かる電氣は この橋のため
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満天の六角の中、寒し月 五右衛門風呂の烟みたいだ
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有りや 此の阿武松原の鏡江に、幣が若布をとりて舞う人
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君の夢がどうか叶いませんように一番星が見えなくなる夜
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とりあえずシュークリームを買ったのであとは何が起きても平気
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独りよがりな恋だったかもしれない だけど君の写真は消せない
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何という現象ですか 洗車機の中で車が進む感じは
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夜電話するため早く風呂入る習慣に残る君の残像
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並ばされ湯気出るバスに入れられた冷凍餃子になる白い朝
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林檎落つ白に埋もれて濡れる赤 君の瞳が泣きそうだった
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粉雪が 終わりを告げて シェルターの 外のまた外 火星を思う
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もう一度 あの時みたいに 話せたら 今度は何か 変わるだろうか
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今日もまた不意に溢れた寂しいが排水溝に流れたぽしゃん
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