夜九時に疲れて即席麺茹でる 気持ちばかりの玉ねぎ添えて
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ユニクロで買ったアウターユニクロで買ったインナーズボン靴下
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コロナ禍に甘えて遠くの友人に会えずに寂しいふりをしている
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やらないと いけないことは したくない やりたい事も とくにないけど
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ランドルト環のあいだに挟まれば 「ご注意ください ドア閉まります」
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たまに買うピザポテトくらい気まぐれに 私を襲う深い絶望
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ひえびえと夜のしじまを回遊す先行き見えぬ翻車魚マンボウの街
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教室に並んだ背表紙待っている親友のごと君の笑顔を
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濁流よ吾をさらってくれまいか宵待草の河のほとりで
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そのすべて己がみぬちにならしめむいとし父母骨を食むひと
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生きるなんて 無駄な労力 希望とか 夢とか光 滅びてしまえ
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テレパスの彼女が欲しい僕の愛重くなったら捨てていくよう
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信頼は積み重ねと言うけれど 1段目が作れなくて話にならぬ
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今日明日と 生きる力を貯めるため バーカウンターに 肘置き祈る。
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大きくて温かだった父の背は愛と哀とを教えてくれる
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「手作りのチョコなんてさ」と言うひとの口を塞いだ深夜のカレー
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甘いのは 少し苦手と 言う君に 世界一甘い 私をあげる
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いちご狩り 行けばなんて 言わないで 甘いいちごを 君と食べたい
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雪が裁つ まやかし呑まれそうなきみの名前の補助線たどり
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雪、雪、も傘などささぬ彼の地では 半袖まぶしカーリング女子
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明るくて 天から降る 妖精か 今にも空に 飛び立つように
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天にまだ 空きがあるから 我慢して 欲に塗れて 溺れぬように
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さようなら 先に言っとく 狡いけど 悲しみよりは 苦しみよりは
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現実を 生きる男が 好きなんだ まずは落第 夢追い人は
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触れるほど 近寄りがたし 君の手に 触れたら終わり 夢から醒める
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僕ほどに 君は愛して いないけど 当たり前だよ それでいいんだ
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さよならと 言って別れる その後も 瞼に映る 君を姿を
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躊躇なく今日も眉毛を抜いていくレールからはみ出たのを選んで
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柔らかな布団に包まれ三時間寝れない僕は間違っている
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死んだ目で煙草吸ってた君のこと 懐かしいだけ 懐かしいだけ好きではなくて
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