草葉にはまだ置きあへぬ白露の袖に宿借る秋は来にけり
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つきまとう 見えない敵は 隣にいる 振り返らずに 空を見上げる
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夕陽から巨大な白き翼伸べ我らを知らぬままとけてゆく
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キミだけの 扉を開き 進んでく その背は強い 気持ちが滲む
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別れ際 窓際君は 何を見る 君の心に 僕はいるのか
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「ここにいる」って叫んでも届かない 君の瞳はあの子のもので
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水茄子を まだ食べ慣れぬ こうべっこ よく見りゃ地元にも売っていたっけ
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毎土曜 あのエンディングを聴くたびに 闇がつつかれ ざわっとするよ
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憧れるは現代美術 誰もが私をなんとなく理解してほしい
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ポロシャツに心臓の孤を描く 人を変えるより自分変える方がラク
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次のとこ 猫の引越し が布団 ひと足先に 夏が終わった
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初心者の 私の短歌うたに 「いいね」をくれる 顔も知らない あなたに感謝
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少しだけ秋風感じる夕暮れは二百十日の翌日のこと
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水の井の上澄みにしか掬はれず兵隊となつてゐる蟻一列
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手が止まる 終わらぬ課題に 目を瞑る 過去を恨む 斜陽差す
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桐の花箔押しにふちどらるるに静謐馬耳東風なりき東風こち吹く
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バスタブに形うしなうほど溶けて満たされてるはお湯だけでなく
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クーラーとアイスコーヒーに冷えた身が 御前ごぜんの彼への気持ちも覚ます
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チェルノブイリ。苦艾のみづ忘れ水流されはじむひとのこころも
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こどもには色も香りも宝石のドロップ一つ缶振って出す
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フロンティア またやりますから 観てみてね 最後泣けます Δも泣いた
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魂の容れ物深く眠ってた 長かった、でもようやくここまで
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キジトラとキジシロきょうだい 珍しくはないのだけれど うちの子いちばん(みんなそう)
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オノマトペ 朗読しつつ身につける 母国語は奥深きかな
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俺の子は いない。誰かの 子は産まれ 妬み、嫉妬で 人間失格
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叶わずの恋 思い出の 道に立つ もいちど君の 風になりたい
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君だって泣きそうだった足元に遺骨のようなカップの破片
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LINEにも心ふるわす糸があり君は見えずも伝わるなにか
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汗染みがすべてを覆うトレーナー すっかり九月も夏の季語です
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朝風の吹き込む家庭裁判所 昨夜の風は 昨夜の風だ
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