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我が家にも春来にけらし南天の鉢の苔にも
朔
(
さく
)
の立つらむ
2
綻びはパッチをあてる栓をするそれでも滲み漏れて出てくる
2
陵
(
みささぎ
)
のほとりも人はなかりけり花には早きみ吉野の春
7
姑がインターネット始めたわ
S
N
S
に鍵かけなけりゃ
3
旅立ちの子の荷造りに口を出す最後まで我くそばばとなる
16
スーパーで不意打ち流る涙ありここの唐揚げ子が好きだった
12
トーストの焼けた香りも香ばしく 溶けるバターは黄金色して
3
休日の朝に味わうコーヒーは 香りも味も 一味違って
3
どこまでも行けば行けるがかた雪を朝日に光る今のうちなら
4
継母もお母さんとは呼べたのに未だトリートメントと呼べず
3
女房の母の名前はキヨちやんで何時でもあははと笑ってをりし
2
買い物に出ること多くスーパーのレジに並びて待つにも慣れぬ
4
母の手をぎゅうっと握る幼子の迷いなき目を信頼と呼ぶ
3
テレパシー 送ってみたわ 助手席で 帰りたくない 一緒にいたい
15
曲がり角 手を振り返す 見送りも まもなく最後 卒業式だ
6
同時着 多望な希望 夢ばかり 出来ることから メール送信
3
香ばしい猫抱きしめて、あぁやっと今日のあれこれ溢していいね
9
笑っててくれるだけでも幸せと思ってたはずなのに、しくった
2
潤む
瞳
(
め
)
と真一文字の唇の
三・一一
(
けふ
)
といふ日を背負ひし侍
1
影絵して急須を映し外へ出て星座見上げた震災の夜
10
おひたしにするはずだった菜の花が最期の時を謳歌している
5
君ごときのために吐き出す歌なんか一首たりともないわ くたばれ
3
まぁちゃんがスティディだったあの頃のフォークばっかり歌うカラオケ
1
備えよう思って過ぎた十二年「今年こそは」と毎年思う。
1
切り離された この電車とあの電車とが また繋がるのは いつのことか
5
無機質な 白い壁を背もたれに 陽だまり見つめる 穏やかな午後
3
倫理など捨てた世界で見る星が他の何より煌めいている
3
中三で渦に巻かれて今ここに生き延び給うおつかれアマビエ
18
しづかなる堤のふちに 悲しみをうたふ波寄す あたらしき船
6
霞んでるぼんやりしてるくらいでいい 春のコントラストを下げよう
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