七重八重花咲く井手の山吹を都の人もとへとこそ思へ
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鉛筆を止める自由律短歌と云うのは詩が無ければただの散文
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酒飲もうどうせ限りの在る吾ら死ぬ時あらば死ねばよかろう
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テレビではお門違いのゲスト等がどんな問にも自論?を語る
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色褪せてならば根を張れ葉を開け雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)
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中空のMAXパンチこりゃ何と戻し十倍を買う
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才能に嫉妬する君に嫉妬する 私だけ見て、なんて、わがまま
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炭酸の泡のはじける後先は見つめていても測れなかった
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新入生歓迎コンパで飲酒して死んで悼まれるような果報
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水曜と木曜の間が苦しいの 深夜、貴女の声が聴きたい
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薄紅の桜のついたかんざしを二人選んだ一昨年の春
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ちらちらと湯気に舞い散る粉雪があなたの肩に溶けては又降る
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足竦む横断歩道剥げた白渡った先があしたな気がして
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どうしてか今夜は独り猫駆ける廊下を滑る中空泳ぐ
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明日歯を無くしそうだし堅いもの今夜のうちに食っておこうか
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分かるけどわたしそんなに悪いかなあ 歪んだギターで塗り潰す夜
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驚安きょうやすの警戒色のレジ袋 くらしの中をペンギンが飛ぶ
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一線をこえたらどうなの かけおちに成功した母のひと言
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勝ち目ないひっかき合いのじゃらつきを猫としている困憊の夜
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離合せず止まりもせずにわたしたちお見合いのままぶつかっていく
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ネギ多め、中太麺で無化調の鶏白湯に半熟卵
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じゃがいもを一センチ角に切りながら 今日も何にも変われなかったな
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鍵盤に置いた右手と左手が錆びた音出す師を想いつつ
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鶯をメジロと思ってた頃のわたしは夏を待っていたのに
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無造作に差し伸べられた手のひらのあたたかさだけで泣ける日もある
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ヤマアラシ眠る傷つけないために私たち笑う傷つかないために
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5歳ではお花屋さんって言ったけどいまはなに屋か言えないでいる
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YouTubeに 甥は生業 見つけだし 今を生きてる 少し羨む
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菜種梅雨 その長雨があればこそ 新緑光る 五月に会える
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帰る家 それは桜を植えた家でもなくて あなたが待つ場所
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