ごめんなさい 病めるときには愛せない 元気になったら焼肉食べよ
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盆出勤ゴーストタウントウキョウを窓から見下ろしカロリーメイトディストピアメシ食う
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禁煙の空間探す少数派 和人わじんで男の僕も今は
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瞬きにひらめいた火は降る星か ただ街灯を掠めゆく蛾か
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みんながおやすみしてるときは、つかれたからだがじめんにおちてるよ
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ライターと緑の自尊感情が保安検査で没収された
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本当は一番優しい友人が一番冷たい人かもしれない
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嘘つきが悪いこととは思わない何かを守ると暴露してるの
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好きだから、などと宣う奴輩は閉店間際に割り引かれてよい
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アパートの窓つたう雨川になる僕らも雨に習い川の字
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進みゆく在りかた常に同じくも時は人にて捻じ曲げらるる
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男性を愛するあなたその眼にはわたしがどんな色に映るの?
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敗戦忌高校球児に伝えたく午後零時にはサイレンの鳴る
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我思うそう思うのもまた我か自己言及の無限増殖
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愛してた 糸は行き先 わかっちゃった だから自分の体ちょんぎった
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満月はなるべく見ないほうがいいあなたの眠りさまたげるから
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古い血を抜いた肢体を横たえて仮死状態で明日の陽を待つ
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主語および目的語さえ用いずに自他の別をも融かす民族
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自己と他者過去と未来の区別すらない新しい世界の知覚
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八月のマイナス二度の部屋の中寄り添う理由わけを探しているの
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恋人の服を優しく脱がすように あなたは魚を骨だけにする
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火葬場で 焼き上がりまで寿司食えば 膨れた腹が命教える
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"I love you"「月が綺麗」と訳すなら雪の日はきっと"Stay with me"
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「適応を覚えなさい」と叱咤する日本生まれのSuicaペンギン
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秋と書きときと読む意を思ひつつ人の秋いま彩りそむる
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瑠璃壜の光を汲める薔薇あまたくれなゐ圧して慎む能はず
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花野にて夢みることを連れてゆく枯野へ向かふ白きなるみち
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旅先で食べるつもりでいた林檎りんご 食べぬまま也家路共なりいえじともにす
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ことのはが五や七求め漂えばただちに逮捕短歌禁止法
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故郷のおいしいご飯と広い風呂 素直になぁれっ素直になぁれっ
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