夜更かしが夏の終わりに増えるのは 秋を早めに感じたいから
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永久にあなたの帰りを待ってます 夕日のにおい満たした部屋で
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晴れた夜だ タルホサンドを買いにゆこう 月のスライスダブルのやつを
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太陽が 割れればぼくら また会える 会えればぼくら 月でも産もうか
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置いたまま過ぎゆく時間ときを触らずに任せていった、ごきげんようを
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最下層の留守電を消す夏の朝 飛べよ飛行機、雲途切れても
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神性の宿るもの。振動、光、それらに乗せた君の祈りも。
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世の糸の絡まってひとすじ光る君の祈りの美しいこと
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はんだから出る湯気吸ってifを見る ムショの飯から出る水蒸気
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この世にも在れよ剪らせよ 君よ、千万年後の恋人へのダリヤ
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愛にできることはもうないんですよ、ご存知ですか、いかがでしたか
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どうしたいかも見えぬままいとしくて、恋する前に愛してしまった
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ナイーブでいいし、泣いちゃってもいいし、壁に落書きしたっていいよ
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女などと名乗れない ただ欲しがって どうせいくつになっても幼女
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「コンビニに行く時思いましたよ」と最高気温の話題でつなぐ
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「鼓動には限界数がある」という君に日に日に殺される僕
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ごめんねと排水口に流してく 嫉妬それからあの頃の恋
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招かれざる客が招かれた時が世界に平和が訪れる時
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「すみません、夏の匂い置いてますか?」「ラムネの瓶に詰めてあります」
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落ちそうなほどたっぷりと真夏吸う あの雲にいま、なってるところ
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逃げ方を忘れた日没迷い込む さよなら傘下区また来て死角
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こんなことで もう泣かないでいいように 君の光で 僕の目焼いて
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やはらかき花芽のかたちすでになく異形の槍はわれを突き刺す
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厨房の裏で頬張るまかないは ちょっぴりネギを入れすぎた 辛い
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自堕落に100の段階があるのなら毎日アイスは20くらいかな
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つめたくもあつくもない水みたいに生きていつかは雲になりたい
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上代かみつよ言葉ことばまな道奥みちのくみのりもがなとねがひつあるかも
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姿なき鳥に鳴かれて渋々と日陰を抜ける歩行者の群れ
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ベランダの洗濯槽でほっとかれ乾き始めているバスタオル
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今ならば時流となる密室に香るヘアーサロンよ、高円寺
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