まだあるよラブホのライター 夕立の後のタバコが旨くなるから
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日曜の素顔さえ収まりゆく午後の傾聴 テーマの音階
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因果応報こそが最も美しいと謳う君に忍び寄る刃
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三振の山降り積もり呆れられそれでも続ける人こそ強い
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自転車をチャリと呼ばない少年が老婆にぶたれる事件発生
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あの夏のタイムカプセル携えて河原を通り卓袱台で酒
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餞にもらったバラは枯れてたし何もないけど二個目はいらない
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歯医者後に時間を空けて食べる飯なぜだか全部覚えているな
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終点の降りねばならんこの椅子にあと少しだけ居たいと思う
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遮断機のむこうにいるのは夏と君 待たせてごめんすぐにいくから
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古ぼけた 遊具しかない遊園地でさえ僕には、おこがましくて
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すれ違うそのたび胸に灯がともるぼくの前世はきっと夕焼け
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‪結果より過程が大事、そうはいうけれどやっぱり選ばれたくて
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憎まれぐちたたく扉を磨りぬけていくのです硝子のハート
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夕暮れも黄昏月も気のせいで 今日が今から始まればいい
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いつだって夜には星がありました 濁らないまま生きていけたら
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スマートフォン川に投げたい衝動を叶えし我の物忘れ癖
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知らぬ町知らぬバスでも2度乗れば勝手知りたる地元の風情
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休日の川日頃より綺麗だと思う我の目見える泡沫
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‪冷麺を冷やし中華というひとと聞く風鈴の透きとおる音‬
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‪今ここで死んでもべつに誰からも愛されないな そうめん茹でる
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愛しさと 愛しさと愛しさと恋 それ以外なら いらないのにな
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このままじゃダメだと足に喝を入れ麦茶を飲んでまた横になる
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ずいぶんと 上手に飼い慣らしているね きみの内に棲む 猛き怪物
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「幸せ」と つぶや君を 忘れ得ぬ 高1の夏 戻らない夏
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「待ってるの。ーー待ってるだけなら、自由でしょ。」 僕は黙って、うつむいていた。
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猫になり喉をグルグル鳴らしつつ「お利口ね」とか言われる暮らし
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ぱふと音立てて古本閉じるときたましひのなごりきらきらと舞ふ
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そよ風がベッドに置いたウクレレを 僕より上手く爪弾いていく
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「ほら見てよ、うまれてはじめて書いた遺書。とても上手に書けてるでしょう?」
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