頷いて顔は笑みでいるけれど 心は笑えぬ人の家族自慢
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天国の階段天使が待っていて突き落とすとき極上の微笑
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魂のたしかにあった抜け殻をポケットのなかで優しく包む
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ゆり垂れて水銀灯で影作る 悲劇の女優は少し笑ってた
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香水は付けてこなかったあの夏の香りはずっとシーブリーズ
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合鍵を置いたアパートにサヨナラの急な坂道が待ち伏せている
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バッテリー上がり慣れしているクルマでも湘南の海風爽か、
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片恋の相談を奪い取る君のほんとうの好意は何処にある
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眠たくて濃いめに淹れたコーヒーの黒さみたいな私の愛情
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包帯を巻いておきなよ雨が降る前から傘をさしてるみたいに
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結局は「どんな君でも好きですよ」どうかお願い伝わっていて
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終わりかけの夏にやっと手を伸ばしもうすぐ届く17の君
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暑い夜に続編レンタル100円か是非凍えたいシャイニングかな
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帰宅して脱いで揃えた革靴に37度の外気が残る
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いじめっ子なんてかわいい言葉使うな種族名「カス」でいいだろ
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B棟の音楽室は今は無く渡り廊下に抜ける春風
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花盛り終えた向日葵頭垂れ種のみ残し静かに眠る
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夕焼けが終わった空のうつくしさ 言葉などでは綺麗に描けぬ
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風とおる 瞬く涼に 身を委ね 炎天いでて 呟くは夏
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喫茶にて さざめく往来 聞きながら 一息どうかと 誘う小説
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振袖の 君の姿に見惚れれば 笑顔はそのまま 幼き日
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熟れすぎた トマトを小さく 切り分けて 君のお口に 含ませたいの
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君の笑み 太陽とすると 光合成しすぎて僕は ジャングルになる
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灼熱の砂浜を歩く足取りで洗濯物を干してるベランダ
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手に届く場所にあるからいつまでも弄ってしまうニキビと悔恨
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誰かの一番になりたかったけど君のレギュラー枠になれたのでもういいです
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昨日見た映画で泣いたと騒ぐクラスメイトに数時間前殴られた渡辺の背中が震え
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言葉で殺す担当さんお疲れ様でした!言葉で生かす担当さん出番です!
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炭酸が腹を膨らし少食に だから二缶ふたかん開けて良いよね
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誰かってみんな言うけどその誰かの中にたぶん私はいない
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