嘔吐彗星    フォロー 2 フォロワー 3 投稿数 42

星屑を吐く

(牢獄をとざすんだったら今にして) ― なるべくのろく、枯葉を撫ぜる 

心臓を抱えて登る階段が 靑くて暗くて黴臭くて 

破けたアイスコーヒーの旗を抱く 残骸しか愛せない人 

銀の波 めくればめくるほど僕が僕でなくなる快さしか 

このひとは、こんなにも生きてしまってる こんなにも なにも こんなに まって 

もう二度と会えない単語のようなキス 無人島では電子辞書と寝る 

盗作者、ゴミ回収車、社会的弱者ングリラ、モラル・クラッシャー 

もるもると鉄塔くぐり雨を縫う エクトプラズム待ち合わせる夜 

六月と九月にかけて目隠しを あの夏以外夏ではないので 

ほろ酔いの夏ハステイラかけられてかしら失いあとの祭りね 

「つんざくまでは帰らぬ」とふ少年に 朝顔の群れ、無精の叫び 

ざらざらに 糖衣がけした約束 と 錆びた脅迫  おなじ手触り 

ここまでを八月として綿あめがほろびさるのをあおぎみるふたり 

「魂を流すんだったらここがいい」― 月光耀かがやく用水路指し 

盗まれた自転車が吐く溜息で深井戸水に落ちる 満月 

ベランダを発った満月彼方へと 首捥月くびもぎづきと名付けてあおぐ 

独房に破れかぶれの二時が這い ココアシガレットさらさらになる 

氷片の玉虫色の断面が 等しく刷られ叫ぶ〈脱却ダッキャク 

解体中の赤鉄骨は伊達眼鏡 くぐるぶんだけ空を残して 

本当に書きたいたことは抜け落ちるシャー芯の最後の1センチ 

「どうせ暇なんだろ?」と云うこいつにも寿命はあって、轟音の夕日 

中央に脱ぎ捨てられしスリッパに 解放はなし。待望もなし。 

端っこから諦め返していくつもの横断歩道を沼にしてゆく 

深爪を味がするまで嚙むことの俺は俺から剥がれられずに 

湿らせた両手でなでてもらえると…、きやすいです(ビニール袋) 

幕間の喫煙所にてくゆりゆく煙はネバーエンディングロール 

映画出て涙を売って得た金で映画観にゆく涙を買いに 

それじゃ始めてくれますか 二幕 二場 客に向かって代役交渉 

置き去りの缶コーヒーのフタ開けば誰のため息まだぬるく漏れ 

永久にあなたの帰りを待ってます 夕日のにおい満たした部屋で