ひまわりは咲かない街でお隣のベランダの朝顔だけが夏
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サボテンが枯れたこんな朝も君は優しく無責任に正しい
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僕の中、賛辞に飢えたオオカミが「いい子」を被ったわたしを殺す
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一ページ開く歌集に思い馳せルヴァンクラッカーが消える朝
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せいしゅん青春」に 聖瞬 盛旬 勢瞬と 加えてみたい 予測変換
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本当に優しいならば運命に気づかせぬままはぐらかしてよ
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青信号みんなでわたれば何人かまだ真ん中に残されたまま
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栄養学的に間違いだが美味い ソーダに溶かした粉のスポドリ
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箸先でまろぶはサラダのプチトマト朝日の熱を編み込んで食む
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ビル群の 明かりが眩しい 一年中 輝いてたのは 火星のおやすみ
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別れぎわ嫌になるからつながないだけどねぇほら手袋わすれた
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いつかもし わたしが光を失くしたら 貴方の声で 導かれたい
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究極の選択ばかり迫られる 三段アイス食べよう、せめて
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わるものの悲しい過去は聞かなくていいから首を刎ねてきなさい
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手を洗い令和二年の葉月尽く 木のスプーンにて氷菓も締める
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さわったら すいかってやつ いきてたの あたしねこだし すいかこわいし
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乱雑なモノで溢れたこの部屋で私も一緒に無機物になりたい
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最終便 明日と昨日の境目を西へと駆ける、永遠を見に
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神のみぞ行き先を知るバスがあり夢をなくした人だけが乗る
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もし猫になれるのならば ペチュニアを額に当てて全智を得たい
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春霞はるがすみつをるなるきみがものとてばひてあるかも
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淋しさはひとりで癒えぬものだから寄り添っていく君のそばで
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墜ちた蝶みたいにひろがる彼の腕 夏が逝っても夢はさめない
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アイドルの初回限定特典はおかしのシールと同じレベル
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人生を整える本を読んでる母親の部屋は汚いまま
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ボロボロの綿のタオルを離さずに でもまさに今羽ばたく小鳥
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水色の絵の具を空色に塗る時だけが唯一、幸福でした。
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ねえ博士 あなたはあれを、知ってたの? 知ってはいたが、これ程までとは。
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おれは五さいなのであのビルの夕日より きれいなものは ほかにしらない
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君と僕 決定的に 違うとこ 「目の数とかか?」 「そこではないな」
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