二階堂    フォロー 0 フォロワー 1 投稿数 26

鯰と骨と一期といろいろ

煙り立ち燃ゆるごとくのそらの下郵便受けに歴史がとほる 

罪の色染まりしわれを切り落とし、切り落としゆき迫るたそがれ 

あたたかな手でふれないで この罪と炎の輪郭に気づかないで 

汚辱ごと燃え尽きたりしわがあとにフォーマルハウトの冴えたあかるさ 

法皇よゆるされるならあと一度、一番ひかる星を教えて 

たましいは売られて枯れた草原にライオンばかりが走り出してく 

蠟梅の枝は箪笥の奥深くひそかに萎れたるままに春 

アメジスト輝きてもう期待さえできない悪い夢の終りは 

めざめれば水槽のなか しののめが夜を透かしてくのを見てるだけ 

ぽち袋さしだす兄の指はもう震えてなくてぽっかりと空 

本丸に俺だけひとりのこされるゆめでめざめて外は大雪 

地球にもぺるそなありや蒼ぐろきものをかくして薄氷は浮く 

生ぬるき雨降りやまず罪深き俺のかたちをたしかめて落つ 

ほころびてぼやけた白の輪郭をなぞるごとくにくちなしの花 

鼻がつんとするのは梔子のせい じゃなくて(ゆりかごはゆれている) 

指をさすことができない兄弟の深爪に白いうさぎは棲めり 

燃えさかる炎のなかより聴こえくる怨嗟の歌を口ずさみ行く 

議題「人間は死んだら何処へゆく?」はい早かった青江さんどうぞ 

にんぎょ姫歩きし睦月の廊下かな 

ぬばたまのゆふやみのふかくふかくからわたくしたちをむかへにくる靴 

まぼろしを見るすべ探す兄弟が深夜三時にサイダ目に点す 

殿の俺の肩ふとさはられて ふりむけばいちめんの秋桜 

林檎食ふ弟の頭撫でながらまるい骨おもふ秋の夕暮れ 

彼もまたきつと秘密を抱へをり鉄の軋みを臓器にて聴く 

(金色でまんまるの何かついて来る、俺だけですか)(これは罰だよ) 

陽と陰のあはひに落ちる圖書室で俺の主人は敗けて死にたり