Utakata
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二階堂
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鯰と骨と一期とメギドほか
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障子紙透かした光の三歩先だれかの影がふと立ちあがる
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ぶうげんびりあの祝福受けたかの時代は過ぎてわれの名は鬼
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やはらかき花芽のかたちすでになく異形の槍はわれを突き刺す
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この口がぶうげんびりあとつぶやけば祈りはたちまち呪いとなりぬ
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ぱふと音立てて古本閉じるときたましひのなごりきらきらと舞ふ
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うつくしくあれと誇りが歌うからこの洗濯機は虹色に塗る
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ここにいるよ 曼珠沙華の雄蕊に立つててもまだ攫つてくれない
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伸びきつた年越蕎麦を啜りつつ走馬灯ばかり駆けさせてゆく
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俺の指なんですよ、今、めくられるだけのあなたをめくつてるのは
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煙り立ち燃ゆるごとくのそらの下郵便受けに歴史がとほる
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罪の色染まりしわれを切り落とし、切り落としゆき迫るたそがれ
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あたたかな手でふれないで この罪と炎の輪郭に気づかないで
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汚辱ごと燃え尽きたりしわがあとにフォーマルハウトの冴えたあかるさ
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法皇よゆるされるならあと一度、一番ひかる星を教えて
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たましいは売られて枯れた草原にライオンばかり走り出してく
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蠟梅の枝は箪笥の奥深くひそかに萎れたるままに春
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アメジスト輝きてもう期待さえできない悪い夢の終りは
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めざめれば水槽のなか しののめが夜を透かしてくのを見てるだけ
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ぽち袋さしだす兄の指はもう震えてなくてぽっかりと空
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本丸に俺だけひとりのこされるゆめでめざめて外は大雪
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地球にもぺるそなありや蒼ぐろきものをかくして薄氷は浮く
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生ぬるき雨降りやまず罪深き俺のかたちをたしかめて落つ
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ほころびてぼやけた白の輪郭をなぞるごとくにくちなしの花
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鼻がつんとするのは梔子のせい じゃなくて(ゆりかごはゆれている)
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指をさすことができない兄弟の深爪に白いうさぎは棲めり
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燃えさかる炎のなかより聴こえくる怨嗟の歌を口ずさみ行く
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議題「人間は死んだら何処へゆく?」はい早かった青江さんどうぞ
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にんぎょ姫歩きし睦月の廊下かな
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ぬばたまのゆふやみのふかくふかくからわたくしたちをむかへにくる靴
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まぼろしを見るすべ探す兄弟が深夜三時にサイダ目に点す
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