ざりがにに挟まれたのは薬指いたくねえよと強がつて夏
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こんな詩すぐに忘れていいよでも忘れるまでは僕を愛して
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灼熱は信号線も焼き尽くし根性だろな操作できてた
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たぶん居てほしいのだろと見えたのでいてみて功徳積むことにする
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きみあてに うたよむうちに 汁の冷め 卒業前に どこかせいてて
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きみの目にたまる夕日のほろほろとこぼれぬやうにつなぐ手のひら
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公園にけふの一日のかたむきて子の手のひらのすくふ夕焼け
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災厄の起きるときには居合わせてなにかせざるをえないバグある
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意志をもつ我らは各自悩みつつ同じゴミ捨て場へ行き着いた
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眠れない夜に会いたい今すぐに 靴も脱ぎ捨て駆け出していい?
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甘いもの好きですなんて微笑んだ君の鼻先ついたクリーム
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どうして君とつながりたいのに電波はゼロだしWi-Fiもダメ
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スカートをなびかすことが誇らしく やっぱり恋だ とふと気づくなど
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うるさいなあ、音がないから文字が好き。しゃべるの苦手なら文を書こう
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とりあえず あったまんないと うたもよめない 都市にミサイル 塹壕に冬
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私にも愛させてほしい 元カレは貴女をどれほど愛していたの
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加減速装置忙しそれぞれの部屋の時計の指示従えば
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怪物とふざけたステップで踊る 楽しい地獄、いとしい日々よ
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静寂を食めど君から漏れ伝う米津玄師と中島みゆき
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くちづけが交わるたびに割れそうな頭と慟哭じみたサイレン
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震えつつハーゲンダッツを食べる夜だけ手が届く銀の惑星
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もし地獄が無限の砂漠だとしたら しりとりしよう俺が勝つまで
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寒空を駆ける一粒万倍日 富よ溢れろイクラの如く
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「ちょっと海さわってくる」ときみは言い半年前の夏へかけだす
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ゴアトランス空のボトルもてあそぶ小春日プードルに後輪あり
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ゆめううつ境目壊すおまじない「鏡よ鏡 おまえはだれだ」
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どこまでも行けると思って踏み出した その歩みこそ輝く轍
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なぜこれを選ぶのだろと文字面を妖艶なまでくねる平仮名
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もう少しひどい人ならよかったな 「ありがとう」 の一言に泣く
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諦めて捨ててしまえば気が楽になるばかりではない逃亡者
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