手術待ち 春特別の 休暇なり 呪いとなりて 我を導く
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桜散り 若葉が茂る 頃となり 退屈なりや 何事もなく
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あの人は 彼氏と何処 愛すれば 我は呆然 風と去りゆく
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人生は バトンタッチか 徒競走 リレーで巡る 人類歴史
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ところてん 生まれて死んで また生まれ 次から次と 世代交代
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生きてても 特にいいこと ないけれど かじりついても この世に未練
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若者に 気味悪がられ 無視されて 生きる老人 これも本望
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朝方に 橋の袂に 彷徨える レームダックは 明日の我が身
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枯れ桜突き刺されたる寂しさを人型に畳み抱きしめてくれ
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此の頃の 晴れ間の多さに 干からびた 心をお湯で 3分調理
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遠くに かすかな光が 見えたとして 目をそらしたまま 闇に向かって
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夜に泣く私は朝の光見て酷く安心して眠りゆく
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台所床に転がるジャガイモが芽を出すように恋をする僕
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高く舞う鷹にもなれず夕闇の薔薇にもなれずたたずむ僕は
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中指で剣状突起触れながら果たされなかった約束などを
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笑わない毒殺犯より贈られる 彼の愛したジギタリス一輪
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今日別にスーパームーンじゃなくていいワンデイ外せば何倍も
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魚図鑑を読むため家に来るきみの本棚だっていいよわたしは
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「おはよう」の「お」を飲み込んで今日もまた愛想なし男で生きていました
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呑気だね 世界の終わり 迫りくる 核戦争と 地震疫病
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夕暮れに 妻と二人で 菜園の 水やりしては 幸せ作り
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殺伐と 暮らしていれば 幸せが なんだったのか わからなくなる
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久しぶり 出勤すれば 休みより 楽しいもんだ 趣味の領域
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あいたいねお絵かきアプリおしえるよスマホの中の母と語らう
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西空が赤から黒に変わる間に割り込む黄緑のような何か
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しにたいと呟く口であいたいと叫ぶ私が列車に轢かれ
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かばかりと心得るには足らなくて 深追いしては戻れなくなる
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友来る春日はるひに匂う藤の花 縁えにしな絶えね 青蔦葛あおつたかづら
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この広く苦しい場所に爪痕を残す気持ちで灯す一音
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虫達が外界へ出る 穴から這い出てゆく 春雷を合図にして
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