殺伐と 暮らしていれば 幸せが なんだったのか わからなくなる
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久しぶり 出勤すれば 休みより 楽しいもんだ 趣味の領域
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あいたいねお絵かきアプリおしえるよスマホの中の母と語らう
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西空が赤から黒に変わる間に割り込む黄緑のような何か
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しにたいと呟く口であいたいと叫ぶ私が列車に轢かれ
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かばかりと心得るには足らなくて 深追いしては戻れなくなる
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友来る春日はるひに匂う藤の花 縁えにしな絶えね 青蔦葛あおつたかづら
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この広く苦しい場所に爪痕を残す気持ちで灯す一音
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虫達が外界へ出る 穴から這い出てゆく 春雷を合図にして
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メンタルが また堕ちてゆく ぬばたまの ブラックホールの 奥の深みに
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君と呼ぶ人はたった一人だけ声出し名前を呼べない君よ
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食って寝て出さねばならぬこのへんを進化でどうにかしろよ体よ
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「ゆっくり食べる方が長生きできるらしいよ」と私を待つ君は
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再婚したって聞いてから順調よ 青のパステルがぐんぐん減ってる
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こんな我なれど出逢いと別れ繰り返す それなりに嬉しく それなりに淋しい
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押したくないコールボタン 押さなきゃならないコールボタン その狭間で生きている
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水族館できみの瞳に泳いでるそれがいちばんきれいな魚
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今しがた終わったばかりの宿題を鞄に入れることが面倒
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勘違いでない気がして振り返る黒くて長い髪のあの子に 
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自転車で毎日通るはずなのに気付かぬうちに桜は散った
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あの人の白肌なまあたたかく撫でてやさしく去りゆく風にはなれない
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リセットでやり直せるなら主人公選択画面であの子を選ぶ
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十重二十重とえはたえうすぎぬ掛かる青空に 麦穂狩りゆけ有明の月
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運命の糸は電子化してるって、ロマンチストなAIは言う
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青春は鈍色だというきみ かがやきは自分じゃわからないのだね
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円の贅沢を飲み円の深夜を浪費する人間だ
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学生の街は本屋も騒がしく さえずりのように聴いてみる午後
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あけぼのの中にかがやく赤ランプ 電話越しに聴く相手の寝息
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青春に恋の字はなく十歳の君の面影がまだ残る夜
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DAISOで僕の苗字のシャチハタが売り切れている 誰が買ったの
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