Utakata
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沙之
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オレンジの月待ち人の来ぬままに もう三日もオレンジのまま
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通知画面よりも明るくまたたいた心を君よ 知らないだろう
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想像していたよりもずっと透明な裸足 花というより焼き物の白
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世の全て厭わぬフリをしているというのに左の耳よ 謀反か
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僕の持つ好きを君にあげるから代わりに君の嫌いをください
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整った丸いやつよりエイリアンみたいな形のスコーン好きだよ
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あの人はどうしているかな「やめたい」と呟いたきり今日で七日目
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包丁の代わりに構えたスナックパン 握り過ぎては刺さりませんよ
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美しいハイヒールに似た伸びをして心を奪い去ってゆく猫
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やわらかな心は鋼溶け落ちた先のかたちで全てが決まる
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ぬぅと立つ花に怯えて泣く子供笑わないでよあの日の君を
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他人
(
ひと
)
を打つ不幸と我が身を比べて眠るせめて夢など見ませぬように
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取り出してみれば案外小さくて怯える様がボク似の心臓
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約束を待ちかね焦がれ鳥になり行ってしまった心、許して
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投げ捨てた平穏無事に駆け寄ってくれる他人よ「ただいまの距離、」
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誰にでも降るふる一滴細くとも よろこびだとかかなしみだとか
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「目を閉じてそこにいてね、やくそくね」柿の花たちのきゃらきゃら笑う
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綴られた果てに憧れ輝きの海へひとつ薔薇を探しに
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かなしいは寄せては返す波だから 浜で一緒に満ちるの待とう
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沈んでは浮いて沈んでまた少し 浮きながらはく水の輪どこへ
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打ちつける雨をただ聞く車内での羊水に浮かぶごときの安堵
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寒いのは好きつなぐ指からむ脚なんぞはないが猫は布団に
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思い出のなかでぐらいは綺麗でさあれよと地団駄踏んでは虚し
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真っ直ぐに線もなぞれぬかなしみを トマトの苗木はわかってくれる
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ブラシ持ち猫の背中を撫でながら 皐月の空におおなみこなみ
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水道の水痛いほど冷たくて来れない夏を悼んで泣いた
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降るような藤降るような蜜蜂の羽音振りゆくミズキの花弁
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ひとつきりの誇れる何かを願う手が 掴めているのは自分ばかりで
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鮮やかな光は擬似餌逃げ出せぬ人に希望をただ見せるだけ
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うぐいすと 張り合うつもりで 口笛は 掠れ音飛び ひとり山道
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