沙之  フォロー 2 フォロワー 2 投稿数 45

整った丸いやつよりエイリアンみたいな形のスコーン好きだよ 

あの人はどうしているかな「やめたい」と呟いたきり今日で七日目 

包丁の代わりに構えたスナックパン 握り過ぎては刺さりませんよ 

美しいハイヒールに似た伸びをして心を奪い去ってゆく猫 

やわらかな心は鋼溶け落ちた先のかたちで全てが決まる 

ぬぅと立つ花に怯えて泣く子供笑わないでよあの日の君を 

他人 ひとを打つ不幸と我が身を比べて眠るせめて夢など見ませぬように 

取り出してみれば案外小さくて怯える様がボク似の心臓 

約束を待ちかね焦がれ鳥になり行ってしまった心、許して 

投げ捨てた平穏無事に駆け寄ってくれる他人よ「ただいまの距離、」 

誰にでも降るふる一滴細くとも よろこびだとかかなしみだとか 

「目を閉じてそこにいてね、やくそくね」柿の花たちのきゃらきゃら笑う 

綴られた果てに憧れ輝きの海へひとつ薔薇を探しに 

かなしいは寄せては返す波だから 浜で一緒に満ちるの待とう 

沈んでは浮いて沈んでまた少し 浮きながらはく水の輪どこへ 

打ちつける雨をただ聞く車内での羊水に浮かぶごときの安堵 

寒いのは好きつなぐ指からむ脚なんぞはないが猫は布団に 

思い出のなかでぐらいは綺麗でさあれよと地団駄踏んでは虚し 

真っ直ぐに線もなぞれぬかなしみを トマトの苗木はわかってくれる 

ブラシ持ち猫の背中を撫でながら 皐月の空におおなみこなみ 

水道の水痛いほど冷たくて来れない夏を悼んで泣いた 

降るような藤降るような蜜蜂の羽音振りゆくミズキの花弁 

ひとつきりの誇れる何かを願う手が 掴めているのは自分ばかりで 

鮮やかな光は擬似餌逃げ出せぬ人に希望をただ見せるだけ 

うぐいすと 張り合うつもりで 口笛は 掠れ音飛び ひとり山道 

巻き上がる髪鼻先をかすめては いつかの母の空気が香る 

祖母語る 思い出遠く 霞ける 百も並んだ 湯呑みの果てに 

洗われた猫の怒りにゴマを擦り 多忙を極め今日休みます 

花を愛で人を尊む心まだ思い出せるか思い出せるか 

体温と湯船の境が無いもので 溶けて流れてやがて大海