自作したピアスをつけて君に逢う 気付いているかそうでないのか
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僕たちの間 引き裂く分断線 嫉妬・蔑視の顔をしている
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世界史の先端にいて今日もまたでかいキャベツを刻み続ける
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はらはらと帯解くごとく梨の皮剥かれて白きはだへの見ゆる
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青空のかけらあつめてきしごとく青き花咲く花野の夕べ
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赤茶けし皮の鞄をあけたれば昔の人とかさなりてゆく
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ふうはりと星の科白をつぶやけるあはき黄いろの落ち葉の叙情
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かさこそと嘘といつしよに吹きだまる軽きカ行と小さきサ行
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ニンゲンとうまく生きられないことを すべて他人のせいにしておく
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性的に松田翔太を見てしまう 春そのもののように降る雨
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たんたんと死を待つだけの生活が何年続く先が見えない
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夕暮れがあらゆるものを暖かく包み染め上げ眠らせていく
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継ぐ人の無き家清く飾られて裾先すそさきくぎ掛かる如く呼ぶ
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いちにちを一旦なかったことにするねむるを選ぶときの崖際
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うつせみの人目をしげみ地下鉄のふた駅さきにまちあはす夜
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シルカヨと今なら言える卒論の口頭試問教授のツッコミ
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五字七字の間に流れるせせらぎに 何人なんぴとが気付き 音聞いたのか
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あの人とメールのやり取りしたいけどメルアドを聞くきっかけもなく
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‪問の一「世界・神様・僕」というありふれた語を鮮烈にせよ‬‪#世界・神様・僕を使って文章を作ると性癖が出る‬
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炎帝も颱風も去り秋高し白薔薇ひとつ咲きのこる庭
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恙なく時代は去っていくだけさ 誰もが通り過ぎるこの部屋
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「正しさ」と「正しいカタチ」があるだけのおまえの脳で泥濘ぬかるむ逃避
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住人の三、二、一と消えていく二階の奥に住んだ六年
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今日も詠む ことばあそびが好きなんで ひとりあそびも大好きなんで
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雨音のとだえし夜半の闇の奥虫の音きけば秋ふかまりぬ
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曼珠沙華ほのかに紅き蕾して遠く流るる雲見上げおり
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太古より変わらぬ色の暗闇に浮かぶ顔、顔、スマホ視る顔
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「忙しいところをどうもすみません」 いかんしまった また言わせたか
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甘えん坊ニヒル妖艶上から目線猫族やけに人間に近い
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惨憺と臓腑あらはに折れにけり野分すぎにしのちの松の木
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