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もんしろ蝶あげは蝶ふと指の先わの字とれの字われの字とまる
3
この宙によせてはかへし不可思議なるあかるき蝶の日だまりつづく
3
キッチンで 味噌汁作ると 思い出す 味噌は煮立てちゃ ダメという声
4
どこみても 黒い顔して 項垂れる 電車の中に 枯れた向日葵
3
だとすればこの茶葉ゆらすものは何?生死の海に浮かぶ小舟も
4
休みの朝暇過ぎスマホいじっては筋トレをして部屋を見渡す
2
天災は果たして神の声なのかそれとも地がうめいてる声か
2
淡く匂う会わずの時を吾はあわみ泡と消えれば哀れ 身の錆
1
身の内を
三十一文字
(
みそひともじ
)
に暴かれて
誰
(
た
)
その記憶が口をこぼれる
4
負の連鎖断ち切り私の人生を娘やめます薄情ですか
6
泣きっ面ハチではなくてクギ刺さるココロとタイヤ一緒にパンク
3
八つ当たりしたい相手にすかされてヤケで作ったおかずが美味い
3
悪を討ち己の正義振りかざしぼくらは偉大なホモ・サピエンス
1
スマートフォン なんでも教えてくれるけど あの裏道は きっと知らない
4
日が昇り 街は輪郭 取り戻す 夢から覚めて 朝がはじまる
2
停電でスマホ見れない自由あり 呑気かもだがそう思うしか
7
朝なれど
加密列
(
カミツレ
)
茶いれ考ふるあるかなきかのあしたのことを
2
母親の吾子を呼ぶ声こだまする夕暮れ時のカレーの匂い
5
春を抱きいざよふゆゑの光りかたしてゐる秋のおほらかなる日
3
鞦韆
(
ぶらんこ
)
を漕げばお
伽
(
とぎ
)
の国のあを切り絵の翳の木洩れ日に透く
5
亡きひとの手の温もりを想ひ出す空の光れる西風のころ
5
薬効を懸念の底で待ちながらねむみの
瀞
(
とろ
)
に溶けおちてゆく
5
心よりガッツでがんばる吾の仕事休みは遊ぶ思いっきりね
3
お互いが納得できる明るさをつくりだそうとしている男
5
秋雨に櫛あきらめてあさがみの乱れてけさは獅子となりぬる
7
スヌーピー「配られたカードで勝負せよ」というババ抜きか大富豪かを選べ!
2
もらってもいいと思えるたたずまいチラシ、ティッシュを配る人々の
3
こわいねえ天才歌人の歌読んで吾もできそうと思うのだから
6
今だけの固有同士が混ざり合う 君と言葉は無名の歌へ
2
器には過去の記憶が注がれて朝目を覚ます私が生きる
4
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