咲き終えてなお真っ直ぐである菊の茎ビニールを貫いている
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厚着の隙間不意の寒さと汗流す3辛のカレー これ全部恋
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麗しき 乙女は去りぬ 今ここの 逞しく立つ ほんとの女
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早乙女の 姿探せし 夢の中 氷凍てつく この時期にこそ
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門柱に子羊の血を塗るように「久松留守」と書いてみようか
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誰にもある つぶれちゃいたい夜のため 遠い恒星 星のまたたき
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君のその 匂いが僕の 肺の奥の よどんだ空気に たまり続ける
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倒れたら 起き上がるしか ないのだろう けれども僕は 起き上がれない
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無常が 永遠だとは 思わないが 愛だのだって 同じなんだよ
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対数を僕の味方と信じたら降る雪ですら桜とおもう
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寒空にひこうき雲が幾筋も伸びボーダーのセーター着せる
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派手に手をふり間違いに気づきすぐそんじょそこらの私にもどる
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昼過ぎて植木横目に歩くのは 灯油ストーブ捨ててある道
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四捨五入 あってよかった二四才 ざけんな呪うぞ二五才
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励ましに飽きたる犬は我見据え二声三声ふたこえみこえ高く吠えにき
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君の飼い犬になりたしその上はやつの喉笛食い破りたし
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ママ見てよパパがバンジーやってるよ変だよ首にロープ掛けてる
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人力でしか人体を生み出せぬという時点でまだまだである
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もしも魔法が使えたのなら、使えたならば あのこは そんなものはない
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他人と見比べては赤を入れる 命にひとつも解などないのに
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xyの値を求めなさい 私と貴女の解をください
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愛だとか恋だとかばかり歌われるミリオンヒット 僕だけ置き去り 
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渋谷にて 我が遊びし地 変わりたり 変わらぬ一〇九マルキュー 早や三十年
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ひだまりの 机の上の 桜貝 見れば海辺の きみを思いつ
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この場所に生まれた意味を問い直せ蔑ろにしたぼくらのhoodフッド
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いつもより肌寒い夜に食べていた昨日の残り 冷めた味噌汁
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ものさしは何に仕えてるかだろ。気に入らないのはこの街の尺度だ
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外は外、内は内でさ混ざり合う 濁ったぶんだけお風呂はいろ
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紙の上 音と形の繋ぎかた 人の気持ちのほどき方の型
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純白の 花冠を 紡つむぐとき 記憶の中の きみが微笑ほほえ
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