「かわいい」ともてはやされて育ってきたのあたしにはそれしかないの
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いわし雲どこまでも並んでいるスーパーの陳列みたい君は主婦
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インド人カレーの辛さは意外にも耐えられぬ常識的にも
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優勝で 広島の街は大騒ぎ 春でなくとも こひに躍れり
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みづ玉にしつとり濡れて春を待つ雨ふる街の秋立ちそむる
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四季のうち三季は雨季となる街の晴れの日に咲くうすき紫苑よ
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春雨はほの白くふり秋雨はほの暗くふる雨の心象
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新人のタクシー乗りは駆けながら「ときには眠くなる」と答える
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古池や 蛙飛び込む 水の音 Make America Great Again
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夏が死ぬ 何度繰り返しただろう 君のとなりで死ねず今年も
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いちにちも飽くこともなく きみのこと 忘れたふりして ひたすらに待つ
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大胆に飛び込んで青 ド真ん中君の心臓染め上げる色
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いちめんのせみの亡骸ふみしめて いっそくとびになつの葬送
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好きだけど誰にも知られて欲しくない念願かなって終了したソシャゲ
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嫌な音 ぽたぽたぽたり 夜に鳴く 灯りついたら静かにしてね
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呑み助が守るべき事がひとつある「絶対に酒のせいにせぬ事」
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グラサンの昼間の司会者二人で見る今日は増刊号だよね
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ふんわりと 金木犀の 香る日に 近づく秋の 足音がする
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紺碧を割らないように歩みゆく天使たちには羽はまだない
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ひーぐえー ひとり身悶えする男 そんな貴方あなたさちよあれかし
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ぼくたちの ふしぎなゆめはうみのそこ シュビズビズババ シュビズビズババ
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Wordに貴方の名前を打ってみる三分だけの取引相手
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ビルに反射する太陽君の顔思い出し今日の仕事終わり
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まっすぐに見ているようで見ていない貴方の気持ちここにはないのね
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もふもふと肘に当たる感触がホテル直行したい気分だ
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太陽の熱が身を焼く程に凍えるからだよ 君を抱きようやく感じるいのちの感覚
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オトナが語る明日ののぞみに目が曇る は強すぎて何も見えない
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隙あらば痛み軋む胸肩首僕の手元にかまぼこ板
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老猫のうたた寝つつむ日だまりに手をさしのばす秋桜のころ
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日常に人間といふ影うすく森と海と本または珈琲
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