この道の先にあるもの見つけたい だけど一歩が踏み出せぬまま
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雨上がり見上げた空にくっきりと希望が見えるダブルレインボー
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凶暴な朝が来るまでの逢瀬で息継ぎなしに交わすくちづけ
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水道の凍結注意ニュースにて聞けば素直にチョロチョロと出し
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あまたある理外の法をそう呼んで森の分水界をさだめる
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ソーサーとコーヒーカップがカタと鳴る閉店間際に店主がひとり
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イコールのような関係探しては右足にある血豆が痛い
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新聞の知らぬ誰かの言霊が我を鼓舞させ我を鎮めし
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昼空の青と 心のブルー とを 混ぜて織り成す 濃いモーメント
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手の甲に磨りガラスぽい裂けがある もしやウワサのあかぎれですか
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温泉も初詣も雪見酒も いつかみんなで共に、北陸
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寒い日に しょうがくず湯であったまる 喉の違和感 お空に飛んでけ
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幸福な時間のあとの寂寥は夕陽を浴びた山かげの深さ
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あかがねの夕陽に染まる横顔にうろたえる僕にも朱がさして
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泣きたいよ でも泣かないと 決めたんだ 頑張ってるのは 父なのだから
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強風に 向かいて進む 畑まで 老いた妻でも 束の間デート
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人生は 鼓動と共に 進みゆく 息する度に 終わりが近い
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ほとんどが 虚栄に生きる 姿見て 羨ましいか 一時の迷い
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ご馳走や きれいな女 侍らせる 幸福なんぞ 諦めなさい
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有名に なりたいもんだ 空虚なる 霞のような 幸福の味
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試練とか 誘惑とかに 囲まれて 経験豊富 不死身の極意
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強風で 富士の高嶺に 雪煙 春一番か 一月半ば
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結核や 戦争中に 比べたら アレルギーなど くしゃみの一つ
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こっそりと机の下で回す恋背徳感もスパイスにして
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調べたら 啄木享年 26歳 老いて貧しく 文句言えまい
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年明けて まだ見ぬ世界 定年後 就職先も 決まらないまま
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雪の日にした約束は守るべし 雪解けるに 自分と指切り
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木々を折る一撃電光落雷も 君が祈れば流星になる
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たよりない小さな微笑 突っつけば泣き出しそうな三日目の月
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「風の日をもっと楽しみたい」とだけ書いて社長に渡した辞表
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