お母さん1日遅れでごめんなさい母と二人で母の日ディナー
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朝ごはんのつもりで買ったアップルパイ今食べたほうが美味しい気がする
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海原の小島にひとり ずとまよ。の歌と 本読む 夜は長いの
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はりつめた 糸に鋏をあててるの 紙コップの底 君にあいたい
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悠久の 時を生きる 大河なら 私の罪も 流してください
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巻き上がる髪鼻先をかすめては いつかの母の空気が香る
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手をつなぎかちにてわたる思ひ河しのぶ逢瀬のみづのつめたき
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しまむらのジャージのことをしまジャーと言えるかどうか言えなくもない
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レジまでのカートは楽器なんだよーかたんかたんかたんかたんかた
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秤には ちょうどぴったり百グラム 給与明細と しにたいきもち
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5時半に起きれば化粧も朝飯も、なんならついでにジャンプも読めるし
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荒れ狂う 風の名前を知りたくて 歳時記めくる 午前五時かな
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寿命超え生きとし生けるもの総てはじめから見てる月の光は
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新緑の香りが鼻をくすぐって清々しさとアンニュイを少し
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元気良い新入社員の頷きが激しすぎてもはやヘドバン
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大海に 顔を出したる膝小僧 二百リットルの お湯の主なり
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「人なんて無意味で無価値」の一文に救われた側の者でして
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隣人の視界というその異世界に私もいるのだろうが、見えない
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君の愛が原因で滅ぶ世界に僕を連れて行ってください
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悲しいが恋とは無縁だったから推しカプ想って一首詠む夜
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見届けてやれたらいいけど僕は多分 明日咲く花の 水もやれない
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ばれぬよう君の香りがするシャツを一番底で抱く洗濯機
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日暮れきてつんざく稲妻空を割る やめば仏間の菊の静けさ
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かなしみが 赤いのずっと ティファニーに 行けないわたし どこへ行けばいい?
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うつくしいものだけずっと見ていたい だから鏡を叩き割らなきゃ
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葉が茂る葡萄のつるを手でよけて腰伸ばす祖父 夏の入り口
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君の名の五文字に想いはぎゅうぎゅうで母の想いと父の想いで
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五月雨は天使がくれるティータイム芝の水やりさぼらせてくれる
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花びらの散りゆく数は限りなき 葉桜愛でたし歳とるもよし
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呑みながら仕事をこなす日曜は誰も訪ねてこないバースデイ
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