タバコ吸う人の同行寒くって換気されてく煙と夜風
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偉そうにバイトを叱る店長に話し掛けたよ空気を読んで
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あな寒し深呼吸するときの我ブルース・リーの構へ思ひき
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一月の空がパタンと閉じてゆく ベンチから見る おおいおおい空
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腹ふくれ酔いが回りし今日もまた日の暮れゆくを幸せという
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鳥かごは いつでも過去を 閉じ込める 広がる空は 見えなくていい
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初来日 たった三文字 ホットニュース 私も思わず マブリースマイル
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僕にないものをたくさん持っていて僕を捨てても幸せな人
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パパバナナ 夜空の向こうを 指差す息子 小さく光る 黄色い三日月
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沈みゆく女の髪と唐織はさぞや美くし壇ノ浦の海
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定時ダッシュ 電車で数える 家事ToDo 目指せゴールは 子たちの寝顔
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かぜふいて いえががたがた ゆれている たおれてひなんじょ こころぼそかろ
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詠みたいと うすら思う日に 穂が揺れて 指が滑った はじめてのうた
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もうきっと 増えることない 思い出を 数えてこれで 何個目だろう
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ぜんせでは にんげんだった ひといても うちゅうじんや プラナリアいない
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僕だけに優しくしてるフリをしてあの女子アナは死人を教える
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憎しみの果てて希望の尽きてでも ラジオ体操第二に入る
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幸せは餅が伸びるくらいの美味しさたくさんけばたくさん配る
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翌朝の舌の火傷で思い出す 夜中に食べたぜんざいの罪
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ベーコンと卵を焼いてそれでおしまい あとはトマトがあれば完璧
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整った顔に唾でも吐きかけて 終わらせたいプラトニック・ラブ
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みんなが三十一音きまりを守ってくれるから自由律はみだしものは生を授かる
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立ち止まり、振り返ったり、戻ったり しちゃう時計を壁にかけた
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ゆくさきに花が降るよなしあわせが君にたくさんおとずれんことを
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未来にも僕らの子供が生きていて 暮らしてるなんて馬鹿げた話
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いつかまたあの日あの時あの空と蝉時雨の中きみに会えたら
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あの日から更新のないアカウントきみの抜け殻のような気がして
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すきま風 ぼくの指先 とどくとき 外の世界と インターネット
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猛き風に乗りて真横に降る雪が生駒の山ぎわ真白に隠し
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静けさがお昼になっても続くからやっぱり世界は終わったのかも
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