Utakata
登録
Login
砂紡
フォロー
0
フォロワー
3
投稿数
24
短歌を詠むと、日々の生活をやわらかく見つめなおせる気がします。
このときが止まってほしいと願うエゴ何も知らないあなたは笑う
7
永遠になりたかったねお互いのほつれた糸をほどいてく時間
5
ハリボテの幸せみたいだったけど
抱
(
いだ
)
いた気持ちに嘘はないから
9
しっぽりと灰色の雲につつまれて迎えた朝は温いスープを
7
あたたかい涙を抱いていつまでも君の隣は太陽の寝床
6
紺碧の空と海とが溶け合ってやっとぼくたちひとつになれる
6
甘やかな夢の続きを見ようとも掴めぬどこかに置いてきたよう
6
君がいて私が隣にいるだけのなんでもない日に花を贈ろう
9
ここにいてそのままでいていいんだよ許されたようなあたたかな場所
12
晩秋にのんびりこおろぎひとり鳴き無事に伴侶を見つけられるか
8
バイバイ、とその言葉すら風に溶け届かなければ意味はないのに
7
高い空のびのび泳ぐうろこ雲見つけたんだねもひとつ海を
14
575を生活の中に見つけたらそっと包んで頭のポッケへ
9
交わしたね枯れ
栴檀
(
せんだん
)
の木の下で会えなくっても会う約束を
9
何周も季節巡って会えるようどこまでだって歩いていくよ
7
ほろほろとやさしい雨音落ちてきてまぶたの上にそっと乗っかる
9
「てっちゃん」と名付けた鉄のフライパン使うたびごと愛着湧いて
14
「あと一回」舌先で軽く溶けていく砂糖菓子にも似た約束だ
8
美術館市場に神社てんこもり小さな港町は今日も凪
8
かろうじて堪えた涙の奥底に降り積もる燈のなんて微かな
6
ひとりだけ変わり者だと言われててそんな私にも居場所をくれた
12
金木犀復活させようと笑ってハンドクリームを手のひらに塗る
10
あなたこれ好きねと君が言うたびにまた好きになる優しい呪文
6
新品の雪平鍋のたたずまいなんて優しいミラーボールだろ
12