もう二年経っているのね秋風がきみと見た海思いださせる
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花屋とはまるで娼館 今晩はいったいどの子を買うのですか
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花束もステキだけれど一輪のバラそれだけで我は幸せ
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地下鉄の路線図のようになんとなく気づいてそうな君が好きです
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ヒトという形のものを人にして恋とは魔法なのかもしれぬ
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そのままの君でいいんだ 自らの白さに雪は気づいていない
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きみの熱わたしの熱とまざりあう冬が寒いと誰が決めたの
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簡単にガラスが割れることもある我を貫く君の一言
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霧雨のようにやさしく頭を撫でられて子供扱いをされる片恋
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梅干しが嫌いと言った君よ吾がセロリ嫌いと覚えているか
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吾の中で生まれたがっている命これまで何度殺してきたか
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四つ足の君の擬音は三拍子 焦らずにゆけ空彼方まで
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いや割と本気で雌雄同体がいいなと思っていますが、何か?
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柔軟剤、買い置きあって良かったと忘れないよう歌にしておく
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ここは果てこころは壁を持てなくて陽だまりの中 まなかで眠る
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ご褒美はもらうものから買うものに 代々木上原飛ばす特急
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ゆめにっき夢みる猫のまどろみの文体めいた詩だけのこせば
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Hello きみわすれないでほしい自愛心 But Hello ぼくわすれてほしい
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セイカツのカツをなくしてセイになり『生』か『性』かもわからなくなる
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『祈りだよ』百合燃ゆる夢に冷蔵された夏の極光溶かして泣く
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あぜ道のみぎもひだりも蛙のこゑ田植ゑ終はれば梅雨ちかづきぬ
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降るような藤降るような蜜蜂の羽音振りゆくミズキの花弁
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気仙沼 向かひし汽車の 前方に 線路の終わりを 見据えたる昼
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吾がひとり喫茶店にいる日曜日きみは今どこで誰といる
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まさか君、わたしの腕の細ささえ知らないまんま去るというのか
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我の名をあなたの姓につなぎをり 遊びじゃなくてホントにしてよ
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そんな顔するなと君が笑ってる 「嬉しくて泣くならいいでしょう?」
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肩の触れあう距離にいる君と吾のあわいに壁はなにもないはず
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わたくしの秘密の園へたどり着くあなたは紅き花散らしつつ
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薄紅を深き緑に変えてまでおまえは奴を待つと言うのか
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