貴方からつけてもらえた傷ならば ケースに入れて 大事にとっとく
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たくさんの ひとに救われ 生きている 僕はカレーしか作れないのに
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肉じゃががとても美味しくできたんだ そうだ私と結婚しよう?
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肌を這うアリの歩みのこそばゆさ点は伝えてぼくらは迷子で
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鳥にすら食まれることの拒まれてひかりが看取りしぼくの亡骸
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コンビニのスプーンたちは微睡んでたった一度のくちづけを乞う
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夜とはね親しいのにさ髪を染め共通項を失くしちゃったな
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迷いなく脚をそろえて飛ぶ鳥と脚先から消ゆ飛行機雲が
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気にしたくないのだけれどおとなりの芝の青さを眺む悪癖
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花よりも葉の色が濃い紫陽花をぬめりぬめりとカタツムリゆく
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青い空 入道雲に 蝉の声 初恋探す 夏の思い出
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ブランコを並んで漕ぎし少女らが人を殺してみたいと笑う
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時空とは実は綻びやすくあり たとえば平日昼間のガスト 
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おつかれさんビールを冷やして待ってるよ 留守電聞いて帰路を駆け出す
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美しい 美しくない そんなこと 口にするのすら 無粋じゃなくって?
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音もなく消してしまえば終われるの?記憶の君は生きているのに?
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不機嫌を 隠す努力も しないのね 幼児に戻る 老いた母親
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いつもそう 全部わたしが 悪いのね 言いたいことが 言えていいよね
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貴方から貰った愛を返せずに 今日もひとりで想いを歌う
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平日夜 酒でも飲まねば やっとれん いつからこんなに なってしまったの
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泣くことが 勿体無いのか 逃げなのか 深夜ドラマに 気付かされる梅雨
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さよならの気持ちは痛いほど分かる だけど私はまた恋をする
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この涙、別にアンタのためじゃない カレーが少し辛かったのよ
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はかなくもなきいでにけりひとすぢのせみの声する梅雨のあとさき
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あなたからもらったものはただ一つ 忘がたいという気持ちだけ
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心とは涙で満たし蓋をして明日の笑みを湛えるところ
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海に落つ梯子のような光だねひかりは触れられないよ 嘘だよ
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刈り上げた後ろ髪には触れないで鼻にキスする君が好きだよ
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失恋の辛さと速度によく似てる君が弾いてたあのアルペジオ
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「降車時はブザーでお知らせ下さい」が使えりゃいいのに人生にもさ
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