キャップをあける インスタントコーヒー 俺はただ 再確認に 怯え床に就く
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ソファベッド 寝ころび見てる つまらんテレビ いやーな湿気 カンカラ三線
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夜に心地よい言葉を重ねても 明日の私は泣くのでしょうが
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抱きしめるだけではきっと満たされず私が欠けてゆくだけなので
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君の紡ぐ言葉は今折って捨てようとしているカッターのごみ
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雨がまた君の心を沈ませる でも傘はもう差してあげない
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君のこと、いい子いい子と甘やかす時間ときだけ私、大人になれる
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「どうなってもいいじゃん」夜にとける薄手のシャツと淡いプリーツ
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青色の春とか海の真ん中に君を見つけて少しはにかむ
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森閑とした館内に谺するマジックテープの剥離する音
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桃鉄や一年足らぬつくもがみ友に遅れてひとりしをるる
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二日後に 嵐来るらし  ジャスモン酸メチルの香り ふと過ぎ去りし
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なんだかんだ言って自分が一番根暗だと思ってる皆さん
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好きな人いても抱かれるその感情とても静かな名前をつけて
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猫になどなれぬのだから もう一度コーヒーを飲み文字と向き合う
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今日もまたこらえきれずに雨が降る 歩くばかりの私を責める
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ブラシ持ち猫の背中を撫でながら 皐月の空におおなみこなみ
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炒るほどに香りたちたり海の色まなこにのこるかたくちいわし
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一生を 夢を追いては 生きてるか 死んでるのかも 分からぬままに
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昂ずれば 夢までも見る 情欲に 恋とはあまり 甘き呼び名よ
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愛すれど 愛されぬもの それだけに 満たされぬ恋 人間の性
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現実を 離れてみれば 花が咲き 笑みも零れる 泡沫の夢
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泡沫の 夢追い人に 現実は 厳しいものよ 容赦を知らず
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蒼白い窓の光が胸底を照らすから月の夜は永い
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「さよなら」の言葉ひとつで俺達の話を終わりにしないでくれ
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八月に三十二日目があれば想いは君に届いていたか
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またひとつあなたに逢えぬ日を重ね行き合ひの空のもとを歩く
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しあわせは決して怖くないものとわかってほしい八月十日
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ひまわりはひまわりですか 本当にそのひまわりはひまわりですか
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コーヒーに落ちるミルクが一段と白く思える結婚前夜
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