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くるくるとダーマトグラフむくやうに帯をほどけばしろき膚みゆ
0
あざやかに火花は散ってあの遠いとおい空から海がみえるよ
4
まだ少し距離ある友にボンビーをつける気持ちをこの歌に乗せ
1
茜さす日暮れの野火の
烟
(
けむり
)
鎖さす
夕影
(
ゆかげ
)
の頃ぞ山は哀しき
2
漢
(
おとこ
)
なら呑め打て遊べ派手に散れ 墓標代わりの一升瓶よ
1
さぁ行こう春光が指すあの場所へ 不協和音は止んだのだから
0
きみの声だけ聴いてたい不眠にも胃の不調にもよく効く薬
0
若い芽を摘むな蕾も摘むな空の青さに罪はないだろうが
0
この足じゃどこにも行けない行けないよ 光も影も抱く三月
0
「不倫などよくある話。そうだよね、だけど許せるわけないじゃない」
0
逃げ道はどこにもなくてキリキリと絞められている我の細首
0
さびしくはないか、桜
(
(二〇二一年三月 コロナ禍)
)
よ 静寂に包まれている二回目の春
1
名を呼べば咲きみだれる花のいまだ名を与えられていないつぼみ
0
願わくばスピーカーより聞こえくる声に吾の名を呼ばれたき春
0
壁を背に君は
抱
(
いだ
)
かれ
瞳
(
め
)
をひらく 「恋」と聞こえて「愛」にきたから
1
便箋のひとつで終わる恋ありて春はしずかな湿りを孕む
1
なら
君
(
きみ
)
の体に吸い込まれてゆくうどんのようにそうなのだろう
2
ゆめは旅 寂びた道路にうずくまり後ろめたさを味わうための
2
愛された分だけ寿命が縮むとしか思えない猫の一生
4
「月食見えなかったね」と月色の目をしたこの
猫
(
こ
)
に語りかける
2
思い出のなかでぐらいは綺麗でさあれよと地団駄踏んでは虚し
0
この先へ破船はとおり過ぎてゆく波の音さえ砕くことなく
4
降りてゆく蒼いとばりが日中の熱を溶かして素足に優しい
8
最小の数を求める指先の青藍色がひらひら踊る
1
野生のツツジは丸くもないし四角くもない 岸壁に咲く鮮やかな赤
1
雨後の靄 苺は光の比喩である 私はそっと苺を摘む
0
八月の私は無限 海を背にカーブを描く小さな車
4
服を買う たぶん一生着ない服 存在しない私のための
5
厚切りの休日加減よく焦がし少し溶かした甘えを乗せる
6
夕焼けが居残りしてる二十時に僕のパジャマは月を待ってる
8
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